10年の時間を見つめ、振り返る。10年間という区切り、多くの人は数回しか体験できない

   

彫刻家の大黒貴之です。

人生が半ばに来ていることもあるのでしょうか、
10年間という時間は人生の大きな1つの区切りだと頷けます。

特にドイツ人との交流でそのことを意識したようです。

彼女/彼らは誕生日をとても大切にしていると感じていました。

やはり「個」の文化がそうさせるのでしょうか。
10歳、20歳、30歳・・・という10年区切りの誕生日には
力を入れる人が多いようです。

お世話になっていたドイツ人大家さんの50歳の誕生日会や
ぼくのギャラリスト、セミヨンさんの50歳の誕生日会にも参加しましたが
お店などの大きなスペースを借り切り、100人以上もの友人知人、家族を招待する
それそれは大きなパーティーを催していました。

それほど彼らにとって10年という区切りは大切なものなのです。

もしあなたが10年のという大きな節目に立っているのなら
次の10年をどのように見つめ、そして過去の10年をどのように振り返りますか?

10年という時間

迷いの20代

20代は迷いの10年でした。

「現代アートって何だろう」とひたすら問いかけていたように思います。

24歳の晩秋に単身ドイツに渡ったことは
ぼくの人生の大きな分岐点になりました。

遠い海の向こうのドイツの光景は全くと言っていいほど未知のものでした。
英語はおろか、ドイツ語など全くわかりませんでした。
その中で過ごした15か月は本当に刺激的な毎日でした。
参考記事:ぼくがベルリンに向かった理由 第一次渡独 2001-03年

そして当時はまだ作家として活動をしたH.N.セミヨンさんと出会えことは
その後もぼくにとって大きな影響を与えることになりました。
参考記事:一人のドイツ人との出会いによってぼくの作家人生は変わった

20代で一番頑張った15か間でした。

「芸術論」については、いろいろな人と議論をしましたが、
「現代アート」のことについて語れる人はいませんでした。

唯一、2003年ドイツからの帰国後、彫刻家の福岡道雄さんが「現代美術」という言葉を用いて
作家として彼の体験を話してくれたことに必死に耳を傾けていたことが記憶に残っています。

激動の30代

30歳の時、父が急逝しました。

それが再びドイツへ向かおうという決心につながりました。

父がいなくなった後、心身共にしんどい時間が続きましたが、
「苦しい時期は1000日以上は続かない」と誰かから聞いたことが頭に残っていました。
参考記事:「ベルリンから送った最初で最後の手紙 」

2011年に東日本大震災が起こり、かなりの脱力感が起こりましたが
それから2週間後、再びドイツへ渡りました。

約5年半の滞在で、ぼくの作家人生は大きく前進したと感じています。

20代から抱いていた現代アートや日本のアートシステムへの疑問は
この期間で自分のの答えを出すことができました。

2時間もあれば理解できるようなことを知るのに20年以上の歳月を経たのです。

しかし、日本で迷い続け、ドイツに渡り、現代アートについて自身の五感で体感できたことは
知識だけで知る以上に深くぼくの体の中に刻まれました。

疑問を解くまでには、長い時間がかかりましたが、渡独できたことは本当に幸運でした。
彫刻家としての大黒貴之を生み出してくれたのはドイツだと言っても過言ではありません。

参考記事:「「圧倒的な異質性」が現代アートの一つのキーポイントになる」
参考記事:「ベルリンのギャラリストから学ぶことと日本の貸画廊システムについて 」
参考記事:「現代アートにおいての重要な職業ギャラリスト。ーベルリンのギャラリストとの交流からー」

 

・・・・・・・・・・・・・

太陽はぼくたちのことなどお構いなく毎朝昇ってきます。

自分の与えられた仕事に集中する。

なかなか会えない人のことを想う。

友人知人と話をする。

寒冷の間に覗かせる太陽が温めた気持ちの良い空気を吸う。

家族と散歩をする。

作品を発表できることを喜ぶ。

ドイツや日本の友人知人を想う。


気持ちの良い日、気持ち良くない日、いろいろあります。

1つ言える確かなことは、この1日の動きが10年後の自分をつくっているということです。

10年は約3650日になり、人は83歳で30000日を迎えます。

さぁ、次の10年はどんな時間になりますかね。
これまでの伏線がつながることでしょうし、新しい出会いや出来事があるでしょう。
ぼくにとって、ワクワクする10年になりそうです。

楽しいとき、苦しいとき、そりゃ人生いろいろとありますが、
引き続き人生賛歌を歌い続けましょう!

参考記事:あなたは生まれて何日が経ちますか?
参考記事:「人生で最も若い時はいつか? 」

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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