ドイツで生活してわかった。ドイツ人が楽しみにしている言葉ウアラオプって何だ!?

      2017/11/23

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

ドイツで生活をし始めて
最初の方に覚えたのが、
Urlaub(ウアラオプ)という言葉でした。

ドイツ人たちと話をしていると
やたら「ウアラオプ」言って、何やら楽しそうです。

「ぼくは、来週からウアラオプでイタリアに行くんだよ」

「このウアラオプは、孫と一緒に北ドイツに旅行に行ったのよ」

「次のウアラオプは、湖沿いのペンションでゆったり過ごすよ」

Photo via VisualHunt

ドイツでは有給休暇を必ず取らなければならない

なんとなく、お分かりでしょうけど
「ウアラオプ」というのは、有給休暇を利用した長期休暇のことです。

ドイツの企業は、法律に基づいて
最低24日間の有給休暇を与えなければなりません。
(実際には多くの企業が30日間の有給休暇を与えているようです)

つまり、企業の管理職が被雇用者に対して
有給休暇を与えないとそれは管理職のミスということになります。

ですので、
「メアリーさん、ウアラオプをまだ取ってなければ、取ってくださいね」
と声がかかることも珍しくはありません。

しかも、この有休は病欠とはまた別になります。

例えば、もし有給休暇中に病気や怪我などで
病院にかかりドクターストップがかかった場合は
その間、病欠になり有給休暇分はまた違う日に持ち越しとなります。

ドイツ人たちは、2、3週間ウアラオプを取り
先のように旅行に出かけたり家族と過ごしたりします。

書類の申請や仕事の問い合わせで、役所や企業に行くと

「今、ヴォルフさんはウアラオプなので、
2週間後にまた来てください」

なんてことも、ざらにありました。

日本の長期休暇と言えば、
ゴールデンウイーク、お盆、正月くらいで
一斉にみんな休みを取りますよね。
そしてそれ以外はいつも
当たり前のように街が動いています。

ですので、それに慣れてしまっていると
ドイツのウアラオプの習慣には
最初ヤキモキしてしまいます。

「あ~、この案件、急いでいるのに、またウアラオプかよ~(涙)」

ってな具合です。

それでも、住んでいると
それが当たり前でみんな生活しているので、

「ロートカムさん、次のウアラオプは楽しみですね~」

となってきます。

Photo via VisualHunt

長時間労働は非効率的だと何十年も前にドイツは気づいていた

以前、ラーテノウでお世話になっていたドイツ人に

「日本人は、とても長時間働いて、
有給休暇も38%しかとっていないんだ」

と言うと、彼は、

「それは、何十年も前のドイツと同じだね」と。

「長時間働くことは、とても仕事をしているように思えるけど
実は、非効率的なんだよ。
仕事をするときはきっちりとして
後は、家族や自分の時間を大切に過ごすことが
大事なんじゃないかなぁ。
その時間があるからこそ、また仕事に集中できるんだよ」

そのような話をしたことをよく覚えています。

日本では、すき家のアルバイトの長時間労働問題や
最近では、電通の過労死問題も大きく報道されました。

日本人は仕事をすることが、人生であるかのごとく
言われることもありますが、はてしてそうなのでしょうか?

違う言い方をすると
自分の大切な時間をどのように使ったらいいのか
わかっていないということでもあるのではないでしょうか。

もちろんドイツにはドイツの長所短所がありますので
それをそのまま日本に当てはめることはできないかもしれません。

しかし、戦後から高度成長期にかけての
とにかく長時間働けば、今日より明日、明日より明後日的な
成長はもはや幻想ではないかと、ぼくは思うのです。

時間は人生でもあります。

人生はまた有限のもので全て人はいつか死を迎えるのです。

そして、20代の時の時間と60代の時の時間は
また全く違うものです。

ドイツ人たちが、働くときはしっかり働く。
そして、自分の時間を楽しみ、大切にする。

「ウアラオプ」の概念がもっと日本にも広がればなぁと。

オイルが切れるとエンジンはギシギシ鳴り始めて
やがてショートしてしまいます。

「ウアラオプ」は「遊び」というオイルを投入する時間なのです。

「遊び」は無駄なことだとよく言われますが、
実はとても大切な「必要な無駄」なのです。

関連記事:想像力という「遊び」の必要性。想像力が社会を形成し未来をつくる
関連記事:唯一誰にも拘束できない想像力!不必要な遊びの必要性とは?

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

プロフィール定型文一括

ご質問・ご意見・作品資料
プロフィール
彫刻
ドローイング

Facebookページのフォローしていただければ嬉しいです!

Instagram

- Instagramもやっています -


人気記事 5選

1
アートは自由がいいのか?ルールがあるほうがいいのか?日本と世界の現代アートの環境は乖離している。

アートは自由だと言われますが、大切なことは発想や想像の自由であって、なんでも有りの自由だということではないと思います。ルールがあるからこそ面白く、また感動することがあるのです。

2
ギャラリストとアーティストは二人三脚で新しい音色をつけていく

作家とギャラリストの本当に良い関係は、近すぎず、そして遠すぎず、お互いをリスペクトし、信頼、感謝できるものでなくてはなりません。ベルリンのギャラリーと仕事をしながら想うこと。

SC-preview-04 3
ベルリンのギャラリストから学ぶことと日本の貸画廊システムについて

現代アートの世界で制作した作品を発表する場所の一つとしてギャラリーが挙げられます。しかし日本とドイツのギャラリー事情は違うようです。美術に携わる人たち以外にはあまり知られていないこの事情を書いてみたいと思います。

renmen Ensemble (outdoor), 2015, Variable ,Mixed Media  (Land Art Schlosspark Wagenitz) Photo : Takayuki Daikoku 4
「圧倒的な異質性」が現代アートの一つのキーポイントになる

現代アートは、対象物をうまく描けるとか具現化できるかというところで勝負をしているのではなく、キーワードの一つに「圧倒的な異質性」を押し出すことができるかどうかが一つの勝負所ではないかと考えています。

ギャラリスト 5
現代アートにおいての重要な職業ギャラリスト。ーベルリンのギャラリストとの交流からー

現代アートのギャラリストとはどのような仕事をするのでしょうか。ベルリンのギャラリスト、H.N.セミヨンさんとの交流から垣間見たぼくの一場面です。

 - ドイツ生活, 思考する