「圧倒的な異質性」が現代アートの一つのキーポイントになる

      2016/11/15

現代アートの世界ではどうなったらプロなのか

彫刻家の大黒貴之です。

「何の仕事ですか」と聞かれて「彫刻家です」と答えると
たいていその質問者の頭に ?マークがたくさん浮かぶのが見えます。

その次の質問はおおよそ 「プロなんですか」 という主旨の類です。

つまり「どうやって食べているのですか」という質問です。

この質問は、ぼくのような現代アートの作家や
芸術関係の仕事をしていると99%の人たちが
受ける質問だろうと思います。

現代アートの世界で一般的にプロデビューというのは
「コマーシャルギャラリーで個展を開催すること」だと言われています。
貸し画廊がほとんどを占める日本においては企画展で
個展が開催されるのもその一つだと思います。

要するに、自分でお金を払って場所を借りて、
作品を展示するのではなく ギャラリストやキュレーターなどの
第三者の労力、時間、資金などの後押しによって、
展覧会が開催できるかどうかが基準になるのだと
ぼくは解釈しています。

renmen Ensemble (outdoor), 2015, Variable ,Mixed Media  (Land Art Schlosspark Wagenitz) Photo : Takayuki Daikoku

renmen Ensemble (outdoor), 2015, Variable ,Mixed Media  (Land Art Schlosspark Wagenitz) Photo : Takayuki Daikoku

プロボクサーの世界はどうなのか

かといって、それですぐに飯が食えるほどこの業界は甘くありません。

例えば、ボクサーでもプロデビューしてもすぐには生活はできません。

4回戦から始まり、日本戦、世界戦、チャンピオン戦となり、
少しずつボクシングだけの所得が増えて
生活することにも反映されていくと同じようなものだと思います。

作家も展覧会の積み重ねによって、少しずつ作品の発表機会が増え、
認知度が増し、そして作品が売れていくのです。

ぼくもまだまだ若手の部類に入りますが、
少しずつプロとしての 作品発表機会が増えてきて、
また購入してくださる方も出てきました。

小さな作品から、一点ずつの作品、展覧会を大切にし、
今後も現代アートの作家として前進していく次第であります。

よって、 「プロなんですか」という質問に対しては
「プロですが、ただ今"プロ中のプロ"を目指しています」
というが一つの答えになります。

ぼくがイメージするプロ中のプロの作家たち

どのジャンルにも、天才とよばれる人たちは存在するもので、 

現代アートの世界もしかり、
そのような人たちが一定の割合で存在します。

ぼくが「いや~、ホント凄いね」って思う
世界の現代アートの彫刻家には
アニッシュ・カプーア、ヴォルフガング・ライブ、
エヴァ・ヘス、 ルイーズ・ブルジョア、
ジョセッペ・ペノーネなどがいますが、
プロとプロ中のプロのとの違いの一つに
「圧倒性」 があるかどうかだとぼくは考えています。

例えば、 圧倒的な構成力、圧倒的なコンセプト、
圧倒的な色彩力 圧倒的な意外性、圧倒的な物語性(文脈)など、
圧倒的な技術力 など・・・

その圧倒性が作品に反映されているのか。

それがプロ中のプロへのボーダーなのだと思います。

現代アートは圧倒的な異質性という新しい概念を生み出すもの

現代アートは、対象物をうまく描けるとか具現化できるか
というところで勝負をしているのではなく、

この「圧倒的な異質性」を押し出すことができるかどうかが
一つの勝負所なのだと考えています。

アメリカではその「圧倒的な異質性」を反映させることができる作家は
新しい観念を生み出した人として、
例えば、トップアスリートや宇宙飛行士、科学者たち
と同じようにとても高く評価されるそうです。

「異質性」を受け入れて評価できるか。

特に、これからの日本において
とても重要なキーワードになってくるでしょう。

Author by gross-schwarz

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 - 現代アート, 思考する, 彫刻