ベーシックインカム導入は24世紀スタートレックの世界とリンクする?

      2016/12/28

彫刻家の大黒貴之です。

スタートレックというSFドラマをご存知ですか。

高校時代から数年間見ていたのですが
深夜放送ということもあってか
周囲で見ていた人はそれほどいませんでした。

ぼくはビデオに毎回録画してテープを
ズラリと並べるほどお気に入りの番組でした。

いくつかのシリーズがあるのですが、
ジャン・リュック・ピカード艦長が活躍する
ザ・ネクスト・ジェネレーションや
キャスリン・ジェインウェイが女性艦長を務める
ヴォイジャーが特に印象に残っています。

スタートレックは未来の宇宙を探索する過程で起こる
人間模様を描いたヒューマンドラマです。

様々な宇宙人やアンドロイドなどとの交流や接触を通じて
人類とは全く違う文化や価値観を巧みに表現しています。

ドラマは今から400年後の24世紀が舞台です。

ベーシックインカム

スタートレックの24世紀にある革命的な概念と発明品

現在社会を眺めてみると貧富の差や差別などはまだまだ多いのが実情です。

一方で、他者への理解も広まりつつあるようにも感じます。

スタートレックの世界は現在では考えられない
二つの革命的なことが起こっています。

1つ目は「お金が無くなっている」ということ。

2つ目は「フードレプリケーター」というものが発明されていることです。

これは物質は自然界にある分子の集まりであるという理論から
空気中に存在する分子を集めて食べ物を精製できるというマシーンです。

余談ですが、それと同じように人もまた分子の塊ですから、
体の分子を一度バラバラに分解して再統合させることによって
転送(現時点から遠く離れた場所に移動できる)技術も生み出されています。

現代社会において貧富の差が生まれる最大の原因は
貨幣経済と食料問題です。

多くの人たちはこの二つの問題を抱えながら生活していますから
貨幣経済の終焉と食糧や水問題の解決で
世の中の生活状況は劇的に良くなると推測できます。

多くの人は、生活のために働きお金を得ています。

仕事に生きがいを感じている人もいますが、
割合で言うとそれほど多くはないとぼくは思います。

でなければ「やりがいのある仕事」とか
「生きがい」という言葉が注目されないのではないでしょうか。

それを見つけるために困っているからそのような本が売れるのです。

目下、ベーシックインカムの話題が持ち上がっています。

まだ公式に導入している国はありませんが、
オランダのユトレヒトという街では2016年1月から実験が始まっています。

フィンランドでは、80%以上の人たちが導入に賛成しており、
近い将来、本格的に浸透していくことになるでしょう。

ベーシックインカムについてはメリットとデメリットが挙げられています。

メリットしては、
異常な長時間勤務から解放されること。
余裕ができた時間を自分がしたい勉強や
奉仕活動、趣味などに充てることができること。
また、旅行や病院、家族との時間の確保などが考えられます。

デメリットしては、
労働意欲の低下や経済競争がなくなることなどが挙げられます。
また財源はどこからもってくるのかという問題も浮上します。

導入に関しては、賛成反対がもちろんありますが
ベーシックインカムは未来の人の新しい生き方への
1つの布石になるのではないかとぼくは考えています。

現代社会で生活する人たちはあまりにも時間がないように映ります。

特に日本は、有給休暇が38%しか使われていないことから
長期休暇はGWやお盆、正月しかありません。

そのような目まぐるしく忙しい生活の中では、
自分の時間はおろか、
家族や友人たちとの時間も確保できませんし、
なにより考える時間を持つことも難しいです。

何かを考えるのには、一定の時間の確保が必要なのです。

ベーシックインカムは、生活の最低限のお金が支給され
かつ、働きたい人はドンドン働いてもいいのです。

働く意欲が無くなるという点については
通常、人は社会との繋がりがないと精神的にしんどくなってきます。

つまり多くの人は人とのつながりが無い生活には耐えられないのです。

最初の1か月や2か月はいいでしょう。

しかし、しばらしくすると、
社会と隔離されていのではないかと不安になってきます。

ですので、営利に働くのか、もしくは
自分の生きがいややりがいが感じられる活動をするのか、
それは人さまざまですが、何かしらの形で社会との
つながりを求めるようになるでしょう。

生産性をドンドン上げてお金を稼ぎたい人は稼げばいいですし、
そうではない社会とのつながり方を求めたい人はそれでもいい。

そのような選択肢が大幅に増えいくことが考えられます。

貨幣概念の消去とフードレプリケーターは何をもたらしたのか

最初のスタートレックの話に戻りますが、
24世紀の時代に突入する前に
大戦争が起こり多くの人が犠牲になりました。

しかし、その後、貨幣経済の終焉や
フードレプリケーターの発明によって
生活には困らなくなります。

さらにはバルカン人との遭遇で
ワープ技術を手に入れ、
人類はその探求心と冒険心から
宇宙の大航海時代に突入していくのです。

20世紀の時代、特に先進国では
誰もが豊かな生活を求めて働きました。

日本でも、高度成長時代からバブルが弾けるまでは
多くの人たちがそれが良い生き方だと思っていました。

テレビ、洗濯機、掃除機、車、住宅などの
物質的なものが身の回りにあることが
豊かさへつながるのだと。

しかし、現在それは失われた10年になり、
それが20年になっています。

物質だけでは人は豊かになれないのだと
気づき始めているのようにも思えます。

お金に加えて有限資産である時間の使い方は
自分の人生への思索に直結するものです。

ベーシックインカムがもし日本でも導入されれば、
多くの人の生活スタイルが変わり始めることでしょう。

スタートレックに登場する人々が大戦争を経験し、
お金の概念が無くなり、食べるにも困らなくなった後
劇的に変わったことがありました。

それは「自分の生き方について真剣に深く思索し始めた」ことでした。

生活するにはたいていものが
すでに生活空間の中にそろっている現在、
自分の時間や家族との時間、
そして考える時間への欲求が
芽生え始めているように映ります。

それを可能にする布石がベーシックインカムに
内包されているとぼくは考えますし

21世紀は自分の時間の概念について
深く考えを巡らせる時代に入っていくでしょう。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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