先人が残してきた3つのもの。私たちは後世に何を残すのか

      2016/12/15

彫刻家の大黒貴之です。

人が後世に残せるものは3つしかないと聞いたことがあります。

人は誰しも死に向かって生きています。

そして最後は白い骨になって消えていきます。

ぼくは死んだら全てが無になると考えていますが
死んでからも、この世には確実に残るものがあります。

今回は人が後世に残せる3つのことについて考えてみます。

何を後世に残す
お金

その人が積み上げてきた資産のことですね。

お金を始めとした資産はあの世にまで持っていくことはできないと言われます。
お金はあくまでも人が作り上げたシステムの中でのツールです。

鉄鋼王のカーネギーの莫大な遺産は
世界中に学校やコンサートホールなど様々な施設の建設などのために使われました。
それらの施設で育った子どもや若者たちの可能性を推進することに
成功した良い例だと思います。

また高度なインフラ設備や交通網なんかもそれに値するのだと思います。

そして、何を残したのか?という世間の関心が
最も高いのもこのお金です。

なぜかいうと数字で表せるとても分かりやすい指標になるからです。

「金は何かを可能にするための鍵のようなもので、
そのために制作するようのものではない」と言ったのは
イギリスを代表する現代アートの作家、ダミアン・ハーストです。

お金で愛は買えないというのは、人の心はお金では買えないということです。
人には心がありますので、一定の幸せが満たされていれば
お金に操作される可能性は低いでしょう。
一方で完全な自給自足というは極めて困難なことで、
お金は生活をする上で必ず必要なものであることは確かです。

よく勘違いしてしまうのは、目標を達成するためのツールではなく
このツールを集めることが目標になってしまうことです。
そうなってしまっては、本末転倒になってしまいます。

先のハーストの言葉を思い出してください。

「お金は何かを可能にするための鍵」なのです。

いずれにしても大小かかわらずお金は使ってしまわない限り
誰かがお金を引き継いでいくことになります。

技術

今、私たちがこのように生活をできているのは
先人たちが構築してきた技術のお蔭です。
車、コンピューター、インターネット、交通網、インフラ、医療など
それらは各分野の技術の開発の産物です。

その技術は今や宇宙にまで広がり、
無人探査機が火星にまで到着することに成功しています。

今後も人工知能やビッグデータなどのコンピューター、医療、建築に土木など
様々な分野で技術が開発されていくことになるでしょう。

将来はますます人類の生活は便利になっていきます。

それによって到達できなかった場所を発見し、
その光景を目の当たりにすることができるようになっていくのです。

もちろん、料理も技術にありますし、
言葉や文字も自分の意志を伝えるための技術の1つになります。

思想

宗教、哲学、芸術など人類は深く考え続けることによって
様々な概念を導き出してきました。

人が見ている世界はその人が持っている言葉やイメージの概念だと言えます。

Aさんにとっては見えないイメージでも、Bさんには見えているかもしれません。

これは目前のコップや犬などのようなある物質を指しているのではなく
目には見えない概念のことです。
プラトンはそのことをイデアと呼びました。
ドイツ語ではIdee(イデー)英語ではIdea(アイデア)となります。

平たくいえば、ある事をイメージできるかどうかということです。
新しい概念は、当然のことながら誰も持っていません。

最初にその概念を発見した人は、変人と言われるかもしれませんが、
その概念が正しければ、何年か何十年後には当たり前になっています。

つまり本当の思想というのは、長期的なスパンで導き出されるものなのです。

思想というと遠い存在に思えるかもしれませんが、
親や恩師、友人、リスペクトしている人などが、
生前に言っていたことであったり、彼女/彼らから影響を受けた
言動など身近なところでも沢山あると思います。

そして意識が無意識になっていく

この3つに共通しているのは
いずれも「人の意志」だとぼくは考えています。
これらの3つは自分の意識以外のところで残っていくものです。
その意志が残されたひとの無意識に浸透し、それが後世の社会を形成していくのです。

現存する人の意志が無意識に変わり、それが後世では当たり前になっていく連鎖。
そこに何か神秘的な生命賛歌というかそのようなものを強烈に感じるんですよね。

いずれにしても、残すのならハッピーなものを残したいものです。

あなたは後世に何を残したいですか?

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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