【アート作品を買う】あと、自身が購入するときのプロセス

   

彫刻家の大黒貴之です。

Photo via VisualHunt.com

「今のうちに若い画家たちの絵を買っとけば、
将来値段が上がって儲かるんだろ?」

1980年代、日本のバブル期に、そう考えた人たちがいました。
作品を観ずに購入されたことも決して珍しくはなかったと聞きます。
実際、値段はみるみる上昇しました。

1990年には大昭和製紙(現日本製紙)の名誉会長だった斉藤了英氏が
ゴッホの「医師ガシェの肖像」を125億円、
ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」を119億円で落札しました。
その後、斉藤氏は「死んだら一緒に絵を棺桶に入れてくれ」と言ったそうです。

そして、多くの人たちがいつまでも値段が上昇すると信じた神話は、
ある日突然、人々の想像上から消えてなくりました。

「あ~、アートなんて、もうコリゴリ・・・」

あの時に、しっかりとした
「アートのインフラ」を整えるべきだったのですが…

ぼくがアート作品を購入するときのプロセスとは?

アート作品を買う習慣というか、日常がもっと日本にも広まればなぁと
想い始めてから、もう何年経ったかわかりません。
ぼくが学生の頃から「アートはわからない」ということをしばしば耳にしていました。

アート作品や作家について知りたければ、身銭を切って作品を購入し、
自分の空間の中に共有することが一番わかる機会になると思います。

ぼくも小さな作品を何度か購入していますが、そのプロセスとして、
その作家のことを調べたり、他の作品と見比べたり、自分の財布と相談したり、
よくよく考えた最後に購入に踏み切ります。

また自分の作品と交換してもらった作品もいくつかあります。

それらの作品は自分がよく使う部屋や仕事場に飾っています。
かといって、ジッと見つめることはそれほど多くありません。
チラチラ眺める程度でもいいとぼくは考えているからです。

しかし、その”チラチラ”が、何年も続いて、その作品から刺激を受けたり、
新しい発見があったり、何かしらの感情が沸き起これば、
それは立派にその作品を満喫しているのでしょう。

自身の場合、大切なのは自分がその作品をとても気に入っているのか、
好きなのかということが先にあります。
それから、その作家がコマーシャルギャラリーや
美術館などで展覧会をしたり、賞を取るなどして活躍する。

その副産物として作品の価値が上昇していくのだと思うのです。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

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