ドイツからロンシャン礼拝堂へはどう行くの?ぼくが車で辿った全記録

      2016/12/27

彫刻家の大黒貴之です。

フランスにル・コルビジェの代表作の一つ、ロンシャン礼拝堂があります。

世界の建築界に大きな影響を与えた建築家ル・コルビジェが設計した礼拝堂です。

かつて滞在していたラーテノウという街から
スイスのバーゼルまでアウトバーンを走りながら10時間かけて
車で行ったことがあります。

その際、ここまで来たからには、ロンシャン礼拝堂も見に行くか!
ということでフランスまで足を延ばすことにしたのです。

今回は、そんなロンシャン礼拝堂の旅行記です。

ロンシャン礼拝堂とはどのような建築物なの?

6-16_1.jpg↑コルビジェの自画像(ポストカードから)

ロンシャンは巡礼の地。

中世にこの地に建てられて以来の礼拝堂がありましたが
第二次世界大戦の際にナチス・ドイツの空爆により破壊されてしまいます。

戦後、ロンシャンの人々は再建を願いました。

そこでアラン・クチュリエ神父の推薦により
ル・コルビュジエに設計が依頼されました。

礼拝堂は1950年に設計が始まり、1955年に竣工しました。

世界の建築に大きな影響を与えた彼の作品は
どんな建築なのだろうと胸をときめかせて現地に向かいました。

ドイツから車で礼拝堂へ

6-16_2.jpg↑この橋を渡れば、もうフランス。

滞在していたドイツ南部の街、Bad Krozingen(バッド・クロチィンゲン)から
車で約1時間半くらいのところにその礼拝堂は佇んでいます。

だから、パリから向かうより、
車があればバーゼルやフライブルグから行くほうが早いのです。

車で30分も走ると国境であるライン川の橋が見え
それを越えるともうフランスです。

アウトバーンの途中で料金所があったので、
そこで通行料の2.8ユーロを支払うことになります。

料金所があって、ETCのような通過口もあります。
まるで日本の高速道路のようです。

フランスの高速道路も無料だと思っていましたが
ドイツのアウトバーンが無料で走行できるようになっているだけなんだ。

フランス語、全くわかりません・・・

6-16_3.jpg
↑高速道路の標識。左に見えるミュールズ方面に行く。ちなみにパリまでは550kmくらいある。

カーナビに従って、ひたすら目的地へ車を走らせます。

高速道路を下りてから、街中へ入った後、飲み物を買おうと、
「Netto」というスーパーに立ち寄りました。

ドイツにも同じスーパーがあるので親しみが湧きました。

中にはいると、店員のおじさんが「なにかお探しですか?」というような
ことを聞かれたけど、なにを言っているのか全く分かりません・・・

それで初めて海外旅行に来た気分になり、
同時に言葉がわからない不安も感じました。

廻りの車を観ても全てフランスのナンバープレート。

不思議なもので、たまにすれ違う
ドイツナンバーを見るとなぜか少し安心するものです。

ぼくはうまくドイツ語が話せるわけではないけど、
それでも、全然解せないのと少しでもわかるのとでは
気分は違うものなのだなぁと感じました。

フランスの街並みといよいよロンシャン礼拝堂へ

6-16_4.jpg
ドイツの国境からすぐということもあってか、
景色はあまり変わらないけど、よく見ると建物のデザインなんかが少し違います。

当然、標識の文字なんかはさっぱりわかりません・・

それから、街中をさらに30分ほど走ったところから
いよいよロンシャン礼拝堂が見えてきました。

6-16_5.jpg↑小高い山の上にロンシャン礼拝堂が見えてくる。

6-16_6.jpg↑この坂道を抜けると・・

小高い山の上を目指して上がっていくと駐車場があり、
そこから麓の町、全体を眺めることができました。

赤い屋根の家が立ち並ぶ景色がとても美しい。

6-16_7.jpg山の上からロンシャンの街が一望できます。

そして・・・

ようやくロンシャン礼拝堂へ!

6-16_8.jpg
礼拝堂の門のすぐ横に案内所があって、そこでチケットを購入します。

一人5ユーロ。

門をくぐって坂を上がっていくと、

やった!そこにロンシャン礼拝堂を目の前にできたぞ!

白い壁の上に、細長い貝のような屋根で
埋め込み式のガラスが入った小さな窓がいくつもあります。

礼拝堂すぐ横には、「門番の家」があります。

シスターが数人、テーブルを囲ってなにか話をしているのが見えます。

6-16_11.jpg↑門番の家。シスターたちが滞在している。

礼拝堂の外観をグルリと回ってみる

グルリと反対方向に回るとそこが、礼拝堂の入口になります。

6-16_9.jpg
中は撮影禁止なので、写真を撮ることができませんでした。

6-16_10.jpg↑中央に見える茶色い扉が、入り口。

キリスト教の教会といえば、力強さが絢爛なものが多いのですが、
ここは礼拝堂ということもあるのでしょう、

建築は斬新なのですが、とてもシンプルな印象を受けました。

いろんな位置から室内を眺めると、いたるところで発見があります。

独特な窓の配置、白い壁をベースにしているけど部分的に
赤、緑、黄色、紫の色を使っている壁。

6-16_14.jpg↑案内所で販売していたポストカードから。小さな窓から差し込む光は刻々と変化する。

屋根と壁に隙間があって、そこから差し込んでくる光。

シスターが、聖書を読み上げる空間に、
頭上から入る自然の光の間接照明など。

さらに、時間とともに光の強さや角度が変わります。

刻々と室内の照明が変化するのを感じるので
同じ場所にいても、飽きがきません。

特にぼくが感動したのは聖書を読み上げる空間でした。

ただただ素晴らしかった。

1時間半ほど礼拝堂に滞在して、
礼拝堂を去るときはとても名残惜しい感覚になりました。

6-16_13.jpg↑帰りは何度も礼拝堂の方を振り返った、門番の家から年老いたシスターが出てきた。

そう感じることは、多くないことは自身でよくわかっていました。

それほど感動した空間と時間でした。

6-16_12.jpg↑礼拝堂の外に描かれている絵。

6-16_15.jpg↑僕が感動した聖書を読み上げる空間の一つ。実にすばらしかった。(ポストカードから)

ロンシャン礼拝堂を訪れたのは2011年。

その佇まいは今もきっと変わっていないのだろうな。

あのような礼拝堂が住んでいる街にあったらなぁと今になっても思います。

日本から遠い場所にありますが、ロンシャン礼拝堂、必見の価値有ですよ。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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