現代アートは異質であるが故に社会にもリンクしている

      2017/11/23

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

「アート?なんかよくわからん!」
という言葉は耳にタコができるくらい聞きました。

美術という教科なんかも、学校では1週間に2時間ほどですし、
今の高等学校では、ほとんどカリキュラムに入っていません。
ですので「わからん!」となるのもよく理解できます。

しかし、本当にそうでしょうか?

現代アートは、英語で書くと
Contemporary Art(コンテンポラリーアート)と書きます。

コンテンポラリーというのは
「同時代(人)の」「現代の」という意味です。

コンテンポラリーアートをドイツ語で書くと
Zeitgenössische Kunst(ツァイトゲネジッシュ・クンスト)
という少し難しい発音になります。

Zeit(ツァイト)が時間や時代、
genössische(ゲネジッシュ)は
Genosse(ゲノッセ)という単語の
形容詞でGenosseは「同士」とか
「仲間」という意味があります。

そしてkunst(クンスト)は「芸術」「美術」です。

よって現代アートは
「現代社会に生きる作家たちがつくったアート(芸術)」
という意味になります。

Photo via Antranias via Visual hunt

歴史、文化、経済、芸術など全てはつながっている

このブログでは現代アートや芸術以外にも
日本文化や資本主義、人工知能や
ブロックチェーン、お金、哲学思想などについても書いています。

基本的にはぼくが興味あることを書いているのですが、
先に述べたようにこれらは現代社会の現象でもあるんですよね。

現代アート作品は
「それらの現象が一度作家のフィルターで
ろ過された後に可視化されたもの」
だと言えるでしょう。

現代社会に巻き起こっていることは
歴史や文化などの縦軸と現代に生きる人たちの心の作用によって
現れてきているので、それらを紐解いていくのは
ぼくにとってとても興味深いものです。

今の時代はもはや世界中を資本主義が圧巻しています。

ということは、現代アートも資本主義の中に
飲み込まれているといっても過言ではありません。

要するに、アートだけが単体でポツリとあるんじゃなくて
世の中のことは全てつながっているんですよね。

一方で、歴史を辿ってみると世の中に変化の兆しを
生み出してきたのは「異質な存在」だった言えるでしょう。
つまり、それまでの常識を反転させるようなことをした人たちが
歴史上に残っているわけです。

以前の記事にも書きましたが、
現代アートの重要なポイントの1つは「圧倒的な異質性」です。
関連記事:「圧倒的な異質性」が現代アートの一つのキーポイントになる

現代アートだけで社会がひっくり返るとは思いませんが、
その異質性は社会の歪を具現化したようなものではないかと
ぼくは考えています。

何も経済や宗教、哲学などの分野の
エキスパートになる必要はないのです。

ぼくは「彫刻家」に特化しているので
それでいいのです。

ただそれぞれの要点を抑えておくことで
全体的な構造がぼんやりとでも見えてきます。

ぼくがこうして文章を書いているのは
自分の考えが整理できることもありますし、
縦線と横線がリンクしていることを確認できたり、
また彫刻を制作する上での新しいイメージを
発見できる機会にもなるからです。

また、作品を見るだけではわからなくても
対話を通じて「わからん!」から
「なんとなく理解できるようになったわ」
への変化が少しでも起これば幸いですから。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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 - 現代アート, 現代社会, 思考する