このまま日本社会はガラパゴス化していくのか。打破する2つの可能性

      2016/12/15

彫刻家の大黒貴之です。

日本はガラパゴス化していると言われて久しいです。

約6割の個人消費で経済が回っている日本社会。

人口が1億2000万人以上もいる市場は
諸外国に比べるとまだまだ巨大です。
ですので、特に外に出ていく必要もまだありません。

一方で、芸術は世界共通だと言われていますが、
音楽や映画、美術などの業界システムは
世界との乖離があると言われ続けています。

果たしてこのままガラパゴス化の道を辿っていくのでしょうか。

それが悪いことだと思いませんが、
世界との乖離はますます広がっていくことは否めません。

ガラパゴス化を打破するためにはどうすればいいのでしょうか。
2つのことを考えてみました。

1.インターネットというパンドラの箱

ガラパゴス化Photo credit: s_hart via Visual hunt / CC BY

インターネットが登場する以前は
テレビやラジオ、新聞などの媒体を通じてでしか
市民には情報が伝わりませんでした。

つまるところ、その背景にある「本当のところはどうよ?」と
いうことをジャーナリストや芸術家たちの
嗅覚と表現で世の中に訴えていました。

ポリティカルアートと呼ばれる現代アートの1ジャンルがあります。
政治や社会に対しての批判を作品を通じて表現するものです。

またコメディももともとは政治をパロディ化して
市民に現政治を翻訳して批判するのが出発点です。

しかし現在はパーソナルコンピューターやスマホが登場して
インターネットによって世界中がつながるようになりました。

ネット上には膨大なデータベースがあり
その情報を個々が瞬時に選び出すことができるわけです。

もちろんその情報は玉石混交ですが、
受動的だった情報を個人が能動的に取り寄せることが
できるようになったことには間違いありません。

これはネットが登場する90年代以前は考えられなかったことです。
ネットが登場した当初は表面的な情報しかありませんでしたが
昨今は、ネット情報といえども侮れない充実したものがあります。

誰もが情報を発信できるようになり
テレビや新聞による既存のメディアの価値も薄くなりつつあります。
実際、テレビ業界や新聞業界のコンテンツもインターネット上に移ってきています。

インターネットはテキストだけなく、画像や動画などを通じて
「本当のところ」が開放されてしまったのです。

プラトンの洞窟から脱出した「本当のところ」を知る囚人はもはや一人ではなくなりました。
今や誰もが受動的に情報を入手することができまた発信することもできるようになったのです。

若い世代の人たちが日本にいながら世界中の情報を入手できることは
ガラパゴス化を止める一つになるでしょう。

2.ドーハの悲劇以降、なぜ日本サッカーは強くなったのか

一方でインターネットやテレビなどのメディアでは伝えることができない情報もあります。

そういう意味において、集団の外の事情を知っている人たちが
もっと増えて国内でも活躍できることが必要になってきます。

日本代表のサッカーチームは、今では当たり前のように
ワールドカップの決勝トーナメントまで残れる強さになっています。

25年ほど前はそのトーナメントに出ることが夢でした。

1993年に起こったドーハの悲劇ですが、
これはワールドカップの最終トーナメントに出場できるか
どうかの瀬戸際で負けた試合だったから悲劇と呼ばれたのです。

それから20年ほどで日本チームはとても強くなりました。

その理由はいろいろとありますが、
ぼくは中田英寿選手以降、次々と世界で活躍し始めたことが一つの要因だと考えます。
現地の環境が自明のこととなった選手たちが代表として集結し始めたからです。

日本はもっと世界に目を向ける必要があるとよく言われていますが、
それには世界を体験している人たちが
もっと増えてくる必要があります

ガラパゴス化を食い止めるためには
集団の外の情報や体験を中の人たちが知ることから始まるのです。

その可能性として、インターネットという世界中がつながった仮想空間と
リアルな実体験をしている人との交流が必要だとぼくは考えます。

それを受け入れる寛容さがやキャパシティがなく、
今後も国内事情のみを見続けていくだけならば

音楽、映画、美術業界も含めて
今後もますますガラパゴス化の一途をたどることになるでしょう。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

プロフィール定型文一括

ご質問・ご意見・作品資料
プロフィール
彫刻
ドローイング

Facebookページのフォローしていただければ嬉しいです!

Instagram

- Instagramもやっています -


人気記事 5選

1
アートは自由がいいのか?ルールがあるほうがいいのか?日本と世界の現代アートの環境は乖離している。

アートは自由だと言われますが、大切なことは発想や想像の自由であって、なんでも有りの自由だということではないと思います。ルールがあるからこそ面白く、また感動することがあるのです。

2
ギャラリストとアーティストは二人三脚で新しい音色をつけていく

作家とギャラリストの本当に良い関係は、近すぎず、そして遠すぎず、お互いをリスペクトし、信頼、感謝できるものでなくてはなりません。ベルリンのギャラリーと仕事をしながら想うこと。

SC-preview-04 3
ベルリンのギャラリストから学ぶことと日本の貸画廊システムについて

現代アートの世界で制作した作品を発表する場所の一つとしてギャラリーが挙げられます。しかし日本とドイツのギャラリー事情は違うようです。美術に携わる人たち以外にはあまり知られていないこの事情を書いてみたいと思います。

renmen Ensemble (outdoor), 2015, Variable ,Mixed Media  (Land Art Schlosspark Wagenitz) Photo : Takayuki Daikoku 4
「圧倒的な異質性」が現代アートの一つのキーポイントになる

現代アートは、対象物をうまく描けるとか具現化できるかというところで勝負をしているのではなく、キーワードの一つに「圧倒的な異質性」を押し出すことができるかどうかが一つの勝負所ではないかと考えています。

ギャラリスト 5
現代アートにおいての重要な職業ギャラリスト。ーベルリンのギャラリストとの交流からー

現代アートのギャラリストとはどのような仕事をするのでしょうか。ベルリンのギャラリスト、H.N.セミヨンさんとの交流から垣間見たぼくの一場面です。

 - 現代社会, 思考する