ギャラリストとアーティストは二人三脚で新しい音色をつけていく

      2016/11/22

自作カタログの郵送と反応

もうだいぶ前の話になりますが、
自費で20万円くらいをかけて自分の作品カタログをつくったことがあります。
A4サイズ、32頁で100部だけのカタログ。

完成後、日本国内の美術館や
コンテンポラリーアート(現代アート)の
コマーシャルギャラリーなどに郵送したことがあります。

郵送前に各ギャラリーや美術館に
カタログを郵送してもいいかという確認メールをしました。
「もし、不必要であれば、一言で結構ですのでメールをご返信ください」と。
特に、その返事もなかったので、カタログを郵送していきました。

予想していましたが、ほとんど反応はありませんでした。

いくつかのギャラリーの反応

丁寧なギャラリーは
「もう取扱い作家が一杯です。申し訳ございません」
と断りの連絡をしてくれました。

また、何の言葉もなくカタログだけを
送り返してくれたギャラリーもありました。

その中の一つのギャラリーからは、
「カタログではなく、作品写真をメールで送ってください」
と連絡が来たのでいくつかの作品を添付して送信しました。

後日、連絡があり、
「興味がありません」
と一言だけのメールが来ました。

あまり気持ち良くない感覚だったと記憶していますが、
今になって翻ってみると
当然のレスポンスだったかもしれないなと思っています。

むしろ、そのような反応を示してくれただけでもよかったのかなと思います。

実際、オーナー自らの答えが返ってきたのはそのギャラリーだけでした。

作家とギャラリストは二人三脚である

ドイツに来て、ベルリンのギャラリストのセミヨンさんからは
作家としての姿勢や作品展示のこと、彫刻やドローイングのこと
ギャラリストと作家の関係性など、
彼からいろいろなことを学びました。

(コマーシャルギャラリーの)ギャラリストと作家は
二人三脚で同じ方向を向いて、
仕事ができるかどうかがポイントになると考えています。

どのような作家になっていくか。
どのようなギャラリーになっていくのか。

それは、一つのチームのようなものなのだと思います。

参考記事:「現代アートは作家が制作した作品を取り巻く環境(システム)によって形成されている」

ギャラリストも強烈な個性でギャラリーに音色をつけていく

ギャラリストは、作家と同じように
強烈な個性を持った人物が多く、
自分のゆるぎない指針を持ち、自分のギャラリーの音色を付けていきます。

そして、自分の目を信じて、作家を選び
企画展や広報をしながら
彼らをアートマーケットに売り出していきます。

ですので、自分が100%良いと考える作家しか取り扱いません。
なぜなら、その作家のために
時間もお金も労力も全力で注ぎこむからです。

ベルリンのアートフェアなどを見にいくと
売れそうな作品だからという理由だけでなく
「私のギャラリーはこのようなカラーを打ち出していきますよ!」
というのがとてもよく感じられます。

つまり、新しい概念をギャラリーは生み出そうしているのです。

だから、それを共有できる作家たちと一緒に仕事をします。

ギャラリストと作家の本当に良い関係は
近すぎず、遠すぎず、
そして何よりも
お互いをリスペクトし、信頼、感謝できるものでなくてはなりません。

ベルリンのギャラリー、セミヨン・コンテンポラリーと仕事をして
4年ほどが経ちます。

彼とのやり取りを通じて、特にそのことを想います。

狂人の静寂
狂人の静寂
2012
H41×W19,5×D16,5
木・和紙
個人蔵

Die Stille des Verrückts
2012
H41×W19,5×D16,5
Holz, japaniches Papier
private collection

Foto Takayuki Daikoku

2014年6月の記事「ギャラリーの色、作家の色」を加筆添削しました。

Author by gross-schwarz

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