美術も美術教科さえも、もはやなくなっていくのでしょうか

      2017/06/20

彫刻家の大黒貴之です。

日本の中学高校の美術教科は、8割が非常勤講師で構成されています。

しかも、その非常勤講師が美術部の指導もしている実情があります。

非常勤講師は、原則的に授業のコマ数しか時給は出ません。

よって部活動の指導は、実質の無給になっているのが現実が多いのではないでしょうか。

高校になると芸術は選択制が多く、3年間全く美術に触れない生徒たちもいます。

このような美術教科のカリキュラムに反映されているように、
芸術分野は、教育において価値の無いものになっているため、
美術教科の全体の8割が非常勤講師という名のアルバイトになってしまっています。

非常勤は一年更新で、正教員のような社会保障はありません。

民間企業がやっているようなことが教育機関で
公然と行われているようにぼくには映ります。

これでは人が育たないのは自明のことです。

つまり、美術教師も作家も年々、育っていかなくなると推測します。

芸術は”心の遊び”の一つだと思います。

その”遊び”が無くなると、社会は空虚で無機質になっていくように感じます。

(2017年の時点では、美術科顧問の先生の尽力によって
部活動の講師料が時間単位で出るようになりつつあるようです。
このような動きがもっと出てくることを心から祈っています)

TD_Zeichnung_05-2013 ドローイング
無題(SC 05-2013)
2013 29.7×21 cm
紙に鉛筆
撮影:H.N.Semjon

Author by gross-schwarz

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