【存在を知ってもらうこと】たとえ素晴らしい作品でも知らないことは存在しないのと同じ 

   

彫刻家の大黒貴之です。

「大黒、Google知ってるか?」

学生の頃、パソコンに強い大学の同級生が
急進しているGoogleの存在を教えてくれました。

Googleが検索サイトであることは
なんとなく知っていたのですが、
当時、検索サイトと言えばYahooでした。

Yahooはご存知の通り
いわゆるポータルサイトで
大きなカテゴリーの中から
自分が見つけたい情報を
探し出していくという検索サイトです。

一方、Googleは
自分が検索したいワードを入力して
それに最も見合うサイトを見つけ出してくれるサイトです。

検索窓しかないそのシンプルなホームページを見て
最初はとても違和感がありましたが、
使い出すとあれよあれよのうちに
検索と言えば、すっかりGoogleになっていました。

今では、GoogleやYahooのような
検索サイトを通じて
自分メディアを発信するのが
もはや当たり前のようになっています。

Yahoo Japanの登場が1996年、
Googleは1998年です。

それ以前は個人が仕事のことや活動情報を
発信する手段は、口コミ、新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどの
第三者の手に委ねるしかありませんでした。

第三者を通じての情報発信は
大きな信用力にもつながると同時に
その第三者のフィルターがかかることも否めません。

Photo credit: pedrosimoes7 via Visualhunt / CC BY

既存メディアに存在を知ってもらうのか、自分から発信して知ってもらうのか

ぼくは日本とドイツで
新聞からの取材を受けたことがあります。

そのときに思ったのは自分が発言することを
どのように相手が受け取るのかは
当然のごとくコントロールできないということです。

同じ発言をしても取材される記者によって
受け取り方が変わってしまうことは否めません。

しかし、既存メディアの影響はまだ大きいですし、
やはり信用の向上にもつながりますので、
大事な発信源になっていることは間違いないでしょう。

一方でGoogleの登場以降
仕事や活動のことを発信したい人にとって
ホームページやブログ、Twitter、フェイスブックなどは
それまでのメディアに加えて、自身の情報発信源に
なったことは間違いありません。

全ての人が自分の情報を発信する必要はありませんが
自分で何かをやっていて、仕事や活動のことを
より多くの人たちに知ってもらいたいと考えるのであれば
やはり自分の存在を知ってもらうことは必要なわけです。

例えば、とても美味しい中華料理店があっても
そのお店のことを知らないとその美味しい中華料理を
食べることはできませんよね。

鶏が先か、卵が先か的な議論にもなってしまうかもしれませんが
要は、どちらも大切なわけです。

あなたが行く美味しい中華料理店の存在を知ったのはいつですか?

以前、ある中華料理店に連れて行ってもらったことがあります。

とても美味で、ただただ舌鼓を打ちながら
その中華料理を食べていました。

しかし、そのお店を紹介してもらうまでは
その中華料理の味を知らなかったということになります。

つまり、お店に行って中華料理を食べる前は
その美味しい料理の「存在」は、ぼくの中には無かったのです。

そして、当然、美味しければ、また誰かに知ってもらいたいと
口コミで広がっていくでしょう。

ですから、お店の料理が美味しいというのが
前提にあっての口コミ効果にもなります。

ただ、最初にメディアを通じて
その「存在」を知ってもらわなければ、
どれだけ美味しい料理でもそれは無いのと同じなのです。

現代アートの世界を見ると
なぜギャラリストが重要なのかがわかりますよね。

例えば、ベルリンにギャラリーを構える
ギャラリストは、自分のギャラリースペースを
作家に貸すのが仕事なのではなく、良い展覧会を企画し、
コレクターやメディア、美術館などの関係者たちに
所属作家や作品のことを知ってもらうことが1つの大きな仕事です。

関連記事:現代アートにおいての重要な職業ギャラリスト。ーベルリンのギャラリストとの交流からー

制作をして素晴らしい作品をつくっても
誰の目にも触れられず、
自分のアトリエの中に保管している間
その作品は無いのと同じだとぼくは考えています。

逆説的に言うと
美味しい料理、良い作品、素敵な商品であるからこそ
より多くの人たちに知ってもらうことが必要なのです。

それを踏まえたうえで
残っていくものは、残っていきますし、
淘汰さていくものは淘汰されていくのです。

そして、芸術作品であるならば、そのように時間の圧力に耐えて
残っていくような作品が本物として昇華されていくのでしょう。

関連記事:本物とは?本当に良い作品は消費されず時代を超えて残っていく
関連記事:広報宣伝の重要性。そのモノが知られていないことは存在していないのと同じこと

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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