【時を超える感覚】金木犀の匂いと祖父のおぼろげな記憶

      2018/02/01

彫刻家の大黒貴之です(@Gross_Schwarz

大切にしたいものや身近に置いておきたいと願うもの。
それは、ずっと遠くにあるのかもしれませんし、
本当は本人が気づいていないだけで、
自分の最も身近なところにあるのかもしれません。

金木犀と祖父のおぼろげな記憶のお話。


金木犀の甘い香りがとても好きです。

2002年、ベルリン滞在時に住んでいた
住居の中庭や東京の路地、
その他の場所にもそれと同じ匂いがありました。

その匂いを覚えると
その時の風景をよく思い出します。

あのたまらなく甘酸っぱい、まるで思春期の記憶を
彷彿とさせる匂い。

つい時間がタイムスリップしたような感覚にもなります。

自分の庭に金木犀を植えたら。

秋にはあの好きな匂いを感じることができるので、
いつかそうしたいなぁと。

今朝、いろんな樹木がある自宅の庭を
何気なく眺めていたら、
娘が「あっ、黄色い花が咲いているよ!」と
言ったので、その木に目をやると
確かにそこには小さく黄色い花があります。

そして紛れもないあの甘い匂いがします。

その庭を造ったのは、僕のおじいさんで、
もう50年くらい前になると思います。

この金木犀がいつ植えられたのかわかりません。

しかし、ずいぶん前からあったことは知っていました。

僕はもっと大きい木をイメージしていたので、
その木が金木犀だと気づきませんでしたし、
黄色い花が咲いたのを見たこともありませんでした。

「金木犀が自分の身近にあればいいのになぁ」と
思っていたことは、何十年も前に
おじいさんがすでに行っていたのです。

いつか大きくなったら
孫もこの良さが分かる時がくるだろうと言わんばかりに。

僕が2歳の頃に亡くなり
もうほとんど記憶に無い祖父のおぼろげな記憶や
大切なものは身近にあるのかもしれないなと
改めて感じたこと、そして時間が経って初めて分かるということ。

自身にとってとても感慨深い出来事でした。

この金木犀、大切にしていきたいと強く感じました。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

kindle本


①場所を取らない②旅行にも手軽に持っていける③デバイス内の検索がしやすい
僕の読書はkindle本を用いることが多々です。

Instagram

- Instagramもやっています -


人気記事 5選

1
アートは自由がいいのか?ルールがあるほうがいいのか?日本と世界の現代アートの環境は乖離している。

アートは自由だと言われますが、大切なことは発想や想像の自由であって、なんでも有りの自由だということではないと思います。ルールがあるからこそ面白く、また感動することがあるのです。

2
ギャラリストとアーティストは二人三脚で新しい音色をつけていく

作家とギャラリストの本当に良い関係は、近すぎず、そして遠すぎず、お互いをリスペクトし、信頼、感謝できるものでなくてはなりません。ベルリンのギャラリーと仕事をしながら想うこと。

SC-preview-04 3
ベルリンのギャラリストから学ぶことと日本の貸画廊システムについて

現代アートの世界で制作した作品を発表する場所の一つとしてギャラリーが挙げられます。しかし日本とドイツのギャラリー事情は違うようです。美術に携わる人たち以外にはあまり知られていないこの事情を書いてみたいと思います。

renmen Ensemble (outdoor), 2015, Variable ,Mixed Media  (Land Art Schlosspark Wagenitz) Photo : Takayuki Daikoku 4
「圧倒的な異質性」が現代アートの一つのキーポイントになる

現代アートは、対象物をうまく描けるとか具現化できるかというところで勝負をしているのではなく、キーワードの一つに「圧倒的な異質性」を押し出すことができるかどうかが一つの勝負所ではないかと考えています。

ギャラリスト 5
現代アートにおいての重要な職業ギャラリスト。ーベルリンのギャラリストとの交流からー

現代アートのギャラリストとはどのような仕事をするのでしょうか。ベルリンのギャラリスト、H.N.セミヨンさんとの交流から垣間見たぼくの一場面です。

 - 人生, , 日常