お金は人間の幻想だって?んなわけないでしょ!お金の概念を考えてみよう

      2017/01/10

彫刻家の大黒貴之です。

以前、あるワークショップで「自分が住みたい島を描こう!
と課題を出したことがありました。

その中の一人の少年が、島全体がお金で出来た島を描いて
「お金の島に住みたい!」と言ったのを覚えています。

「でも島全部がお金だったらそのお金は何に使うの?」
と質問をすると。

「はっ!」とした表情になって2人の間に沈黙の時間が流れました。

きっと、お金は目標ではなく、目標を成し遂げるためのツールなんだと
その子は気づいたんだと思います。

前回に引き続き「資本主義は愉快だ!」シリーズです。

Photo via VisualHunt

1万円の原価っていくらくらいなんですかね?

1971年のニクソンショックによって
金本位制が解体し、やがて変動相場制に移行していく。
というところまでのお金の歴史を
前回とてもざっくりと書きました。

その後の話です。

じゃあ「金(ゴールド)」によって裏付けされていない
お金(紙幣や硬貨)が担保しているものとは一体なんなのでしょうか。

その答えは紙幣自体に書かれていきます。

今、私たちが使用している紙幣をよく見ると
「日本銀行券」と印刷されているのがわかります。

少し考えてみましょう。

1万円札の原価はいくらくらいかご存知でしょうか?



答えは25円くらいです。

ということは残りの9975円の価値は何なのでしょうか?



それは「国家の信用価値」になります。
つまり日本銀行や日本政府にたいしての信用という裏付けですね。

「これは日本という国家が認めた「券」ですよ。
この「券」で、モノ(商品)と交換したり、
他の国のお金(厳密にいえばこれもその国の信用がついている券になる)
にも換金できますよ」
というお墨付きがついているわけです。

現在「私たちが使っている1万円とは何なのか?」ということを考えていくと
「みんながそれを1万円だと思っていること」なのです。

・・・・・・・・・・・・・・

ぼくは少年時代によく将棋をやりました。

まぁ、クラスや友達の中でブームになっていたわけです。

将棋には王将や金将、銀将、桂馬、歩兵などの駒があります。

たまにその中の駒がどこかにいってしまって足りないことがありました。

太郎:「あれ、リョウ君、「フ(歩兵)」の駒が1つ足らへんで」

リョウ:「そんなことないやろ。昨日の夜はあったんやでぇ」

太郎:「ええ?でも、やっぱりあらへんわ・・・」

リョウ:「おっかしいなぁ・・・ それやったら、とりあえず、
この消しゴムを「フ(歩兵)」の変わりにしよか」

太郎:「オッケー、そしたら、今からその消しゴムが「フ」な!」

という一場面です。

ということで、この消しゴムは本来は鉛筆の線を消す道具
2人の間で将棋の駒の「歩兵」としての機能を持つ道具に変わったわけです。

でも、後からきた花子ちゃんが、将棋盤の上に乗っている消しゴムを見て
「あれっ?何で消しゴムが乗っているのかしら??」と思うわけです。

・・・・・・・・・・・・・・

お金というものもそのような現象に近いものなのだとぼくは考えるわけです。

海外旅行なんかにいくとよくわかりますよね。
日本円を他国の通貨に変えたときに
旅行先の紙幣がなんだかおもちゃのように見えてたりしませんか?

でも、日本円もその国のお金も同等n換金しているわけですから
価値は同じなんですよ。

でも、なんだから違和がある・・・

なんなんでしょうね、この感覚は。

テレビやネットのニュースでは経済の話が盛んですが、
この経済という言葉もなんなのかなぁと。

ぼくは経済というのは
「人間の心理が作り出したモンスター」のようなもの
なんじゃないかと思うのです。

経済は人間の心が生み出しているものだとするならば、
「人間の心」って数値で測れますか?

測れませんよね。

測れないから「心」をロボット(AI)に搭載することは
不可能だと言われているのですよ。

何で、測れないものに数字をあてはめて
計算とか予測ができるのか・・・

「欲望の資本主義」という番組でチェコの
経済学者トーマス・セドラチェック氏が
「経済学というのは数字をつかった物語なんだ」
と言っていたのを思い出します。

普段、何気なく使っているお金。

それをモノやサービスと交換できるツールとして考えるだけでなく
お金そのものの「概念」について考えると
資本主義やお金のことについての見方が
きっと変わってくると思いますよ。

非常に興味深い現象だとぼくはとらえています。

資本主義は愉快だ!シリーズは次回へさらに続きます。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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