【r>g】貧富の差は拡大していく。 社会は目に見えないモンスター?

      2017/11/23

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

前回の続きです

そこで、マルクスが提唱したのがプロレタリア革命でした。

「労働者が資本家をやっつけて、
資本主義をひっくり返してしまえ」って

そして、その思想を継承したのがレーニンであったわけです。

それがのちに、ソビエトや中国、
北朝鮮などの社会主義国を形成していくことになります。

しかし、歴史を見ると社会主義国の先駆者であった
ソビエトは1991年に崩壊し資本主義が勝ちました。

そして、今では中国もロシアも実質的に資本主義を導入しています。

マルクスの考えは間違っていたのでしょうか。

Photo credit: frphoto1 via VisualHunt.com / CC BY-SA

トマ・ピケティの21世紀の資本と資本主義の行方

マルクスの死から130年が経った2013年。
フランスの経済学者トマ・ピケティが
「21世紀の資本」という本を出版しました。

彼は資本主義が始まって以来200年間の20カ国にも
昇るの膨大な税金データを下にある公式をはじき出します。

それが有名になった
r>g
という公式になります。

rはreturnで資本収益率
gがgrowthで経済成長率
となります。

結果、資本家に集まる富のほうが国家の成長よりも多くなる。

つまり貧富の差が拡大していくことを意味しています。

150年前にマルクスが予想した資本主義の限界を
ピケティがデータを使って科学的に証明したことになりました。

ピケティ氏はその差を埋めるため、
資本家たちの富の分配を見直しましょうと提案しました。

しかしその実現は少し難しいのではないでしょうか。

今では、国家よりグローバル企業の方が大きな資本を持っています。

またぼくが衝撃を受けたのは、
アメリカのサンディ・スプリングス市という街では富裕層特区ができたことです。

富裕層が収めた税金は富裕層にしか還元しないこという決断を市は行いました。

これによって行政サービスである医療や警察など生活への安全保障について
貧困層への分配機能ができないということが実際に起こっています。

つまり、政府や行政の一番の役割である
国民を守るという役割が崩壊しつつあるのです。

富裕層の人たちは、行政サービスの質が飛躍的に
向上したと満足する声がたくさんあがりました。

しかし合成の誤謬の記事でも書いたように
ミクロでは上手くいっていても、
マクロでみると結果的に上手くいかない状況になっていくと思います。

可能性としては、ベーシックインカムや
シェア・エコノミーなどによる新しい共存システムの導入や
ブロックチェーン技術によるインターネット空間での
経済活動などが1つの突破口になると考えています。

まぁ、これはぼくの妄想ですが・・
究極は貨幣経済の終焉とフードレプリケーターの発明ですが、
それはもっともっと先の話になってくるでしょうね。
(否、スタートレックの物語の話ですから!(笑))

社会は人間がつくり出している目に見えないモンスターのようなものです。

アダム・スミスは人間には利己的な心と共感の心があると言いました。
この心は人間が永遠に持ち続ける宿命のようなものなのかもしれません。

人間社会はその2つの心を行き来しカタチを
変えながらも継続していくのではないでしょうか。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

Author by gross-schwarz

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