大黒貴之のブログ「彫刻のない美術館」に設定しているたった1つのルール

   

彫刻家の大黒貴之です。

「芸術は爆発だ!」

と言ったのは今は亡き岡本太郎さんです。

「何事にも捉われない想像力を全て開放しろ!」

という意味が含まれているのだと勝手に解釈しています。

作家が作品をつくるとき唯一の
手がかりとなるのは自分が持っているイメージです。

どちらかというとぼくは分析型なのですが、
それでもそのイメージは一瞬の直観で決まります。

そのイメージは誰にも束縛されることはありませんし
誰にも束縛できません。

つまり「完璧な自由」です。

Photo credit: NASA Goddard Photo and Video via Visualhunt / CC BY

鑑賞者が「肉付けをしたくなる作品」は「飽きない作品」

鑑賞者にとって、どのように作品を観るのかは
それもまた自由であるはずです。

作家がこのように見てくださいと鑑賞者に言うのもヘンですし、
そもそも作品の前に作家が立ち続けて説明することはできませんから。

ぼくがもっとも素晴らしいと感じる作品にはある共通項があります。

それは「鑑賞者にいろいろなイメージを持たせることができる作品」です。

分かりやすい例で言うと、山を描いたとしましょう。

しかし山は山でそれ以上のことは連想できません。

確かに描かれたその山を観る人の人生観によって
いろんな山の見方ができるとは思います。
しかし、その「山」が「海」に見えることはきっとないでしょう。

(枯山水的な侘び寂び芸術は別物ですが・・・)
関連記事:【侘び・寂び】日本の文化は引き算的?わびしさの中にこそ美がある

また、素晴らしい作品は時間が経っても色褪せません。

色褪せないということは、作品を観る度に違うように見えたり
イメージを持つことができるんだと思うのです。

つまり、長時間に渡って「飽きない」ということです。
関連記事:本物とは?本当に良い作品は消費されず時代を超えて残っていく

現代アートの作品は、鑑賞者がいろいろなイメージを膨らませることができる
発起点であり、その骨子のようなものです。

鑑賞者に種々のイメージを持たせる作品は
それに肉付けをしたいと思わせるような作品です。

そしてその肉付けをするのは、鑑賞者という第三者なのです。
鑑賞者が存在することによって、初めて作品は成立するのです。

できれば作家は作品の解説はしないほうがいいのです。

これは、ぼくが所属しているセミヨン・コンテンポラリーの
ギャラリストからも言われたことです。

「作家は作品の解説や説明をしないほうがいい。
それをするのは鑑賞者や評論家やライター、
ギャラリストたちなんだよ」

このブログでもいろいろなことを書いていますが、
たった1つだけ設けているルールがあります。

それは「自分の作品の解説はしない」ということです。

作品の写真はアップしていますが、作品自体の説明はしていません。

テーマは「アンビバレンス(両義性)の間」であり、それにまつわる作品がある。

ただそれだけです。

しかし、ぼくが考えていることや見ている風景、
生い立ちなどは文章で書いたほうがいいですよね。

そこから、作品に入ってきてもらえれば嬉しいですし、
その中にあなたとの共通項があるかもしれません。

このホームページもぼくの作品の一部だと考えています。

同じようにこのブログからいろいろなことをイメージしたり
考えてもらうきっかけになればとても嬉しいです。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

関連記事:物事を残していくのは他者。ただし歴史の全てが真実とはいいきれない
関連記事:素晴らしい作品や思想などの物事はどのように後世に残っていくのか

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