「運」はどこからやってくるのだろうか

   

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

世の中には運が良い人がいる。

人はまた、「あの人が運がいい人だからとか
運が悪かった」などという。

仕事や活動を続けていく上で
この運というものが作用することは多いにあるし、
そのことによって、事を成されるのだとも思う。

「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」

という言葉があるが、

この「不思議な」というところに運が関わっているのかもしれない。

この運というものは一体どういうものなのだろうか。

運は偶然なのだろうか、それとも必然なのだろうか

彫刻家を志して、20年ほどが経つ。

その間、さまざまなことが身の上に起こったが
どうにかいままでやってこれた。

大学を卒業してから、作家を志す人はたくさんいるが
20年後も生き残っている人はめっきり少なくなっているように思う。

何かを思い立って、実際に行動できる人は
100人中1人だという。

またその中で、5年10年・・・と継続していける人は
そこからさらに100人に1人になるということを
何かで読んだことがある。

したがって、どの道でも10年続けれる人は
必然的に10000分の1という確率になる。

僕は、これまでに何度も今の道から外れていくことを
感じたことがある。しかし、その度に誰かによって
引き戻されてきた感がある。

そのことがとても不思議なのだが、
それが運というものだといえばそういうことにもなる。

一方で、芸術のことやどうすれば彫刻家になるのかということを
愚直に考えて続けてきたし、
作品の定期的な発表ができてきたことも1つの事実である。

運というものは、自分の外部から
やって来るものだと思う人がいるかもしれない。

だから、先ほどの「あの人は運がいいから」という言葉につながる。

しかし、実際は運は外から来るものではなく、
内から生み出していくものではないだろうか。

【鍛錬】たたき上げ、磨き上げていく先にあるもの

ところで、合気道を数年間やっているが
稽古の中で「鍛錬」という言葉を聞く。

辞書には「金属を打ちきたえるように、
修養・訓練を積んで心身・技能を立派にすること」とある。

だからこそ、その刀は鋭く切れ、
一瞬の隙を逃さずに相手を殺傷する力を発揮する。

2人の刀鍛冶が阿吽の呼吸で、
ひたすら鉄を叩き続けることにより、
それは、少しずつ刀に姿を変化していく。

僕は運というものは
自分で練って鍛えていくものなのではないかとも考えている。

練り続けることによって生み出される何かの存在。

それが運の正体の1つではないだろうか。

そういえば「運・根・鈍」という言葉を知る機会があった。

運を得るには根気がなければ得ることができない。
根気はある程度の鈍感さがなければ生まれてこない。

この話をある人に話をしたら
昔からある商い言葉なのだという。

古の諺や言葉は、数多くの経験則から得られたデータの蓄積である。

いつの世もその社会を形成しているのは人であり、
つまりは人の心なのである。

古今東西、生活が豊かになったり、利便性、見る風景は変遷しているものの
人の心理や哲理はほとんど変化していないようにも感じている。

運は外から「はい、どうぞ」とやってくるものではない。

平素の小さな事実の積み重ねの集積が
運というプラスαのエネルギーへ変換されていくのだと思う。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

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