資本主義はもう限界?その未来と2つの貨幣システムの可能性を考える

      2017/11/23

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

NHKスペシャル「資本主義の未来」を見ました。

ぼくはテレビ見ない派ですが、数多くある
テレビ番組の中には当然興味深い番組もあるので
そのようなものは見るようにしています。

資本主義が誕生して250年が経ちます。

2008年のリーマンショック以降世界経済は停滞気味で
貧富の格差はさらに広がる一方だと言われています。
(現時点ではアメリカが抜け出しつつあると言われています)

もはやこれは資本主義の限界点に達するのではないかと。

戦後は米ソの資本主義VS社会主義の構造でしたが
1991年にソビエト連邦が崩壊したことで資本主義が勝利しました。

その結果、それまで保っていた経済の均衡も同時に無くなり
アメリカ型資本主義の一人レースになったわけです。

1人レースは、「もっと我に利益を」という欲求につながり
その限界点が2008年に起こったアメリカ発の
経済クラッシュだと言われています。

今では、世界の富裕層の62人と低所得層36億人の資産が同じなのだそうです。

2017年になり、21世紀はもうすぐ20年が経とうしています。

世界にもたらしてる現状とさまざまな知識人たちのインタビューから
資本主義の未来を考える番組でした。

Photo credit: The British Library via VisualHunt.com /
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資本主義がまだ終わらない2つの理由。ただ・・・

ぼくなりの見解を書いていきますね。

単刀直入にいうと資本主義はまだ当面は無くならないと思います。

その理由は、2つあります。

1つ目は、そこには人間の欲求があるから。

名誉、権力、所有欲、モテたい、冒険心、探求心、安心への欲求など・・・

挙げればきりがありません。

まさしく108個の煩悩があるわけです。

貨幣を拒否するごく一部の原住民族たちはそうではありませんが、
現代社会はもはや世界中に資本主義のルールが浸透していると
いっても過言ではないでしょう。

その中で、資本主義はもはや無理があるからみんなでやめましょう!

「OK、ハイ止めた!」と言って、
全員がお金を捨てれば資本主義は終焉するのですが
そんなことは不可能です。

「ひょっとしたら、B君は少しポケットに残すんじゃね?」

という猜疑心を抱く人が必ず出てくるからです。

これは従業員の賃金が上がらない構造や
世界の核が無くならない心理構造と同じです。

全員が、一斉に「や~んぺ!」は限りなく難しいことなのです。

2つ目は、資本主義によってもたらされたメリットも沢山あるから。

例えば、科学技術の発展です。

技術は、人間の生活を便利にしているのは間違いありません。
そのお蔭でインフラや交通網などが整備されていったのです。

近い将来には、宇宙に宿泊する「宇宙ホテル」もオープンするそうです。

ぼくも1度は宇宙に行ってみたいですが、どんな感覚になるのでしょうね。

宇宙から青く光る地球を眺めたら。

やがて人類は宇宙へも旅立っていくことでしょう。

今ではパソコンやスマホなどのコンピューターデバイスや
インターネットは当然のように使われていますし
今後は人工知能との共存も現実のものになっていくでしょう。

資本主義が行き過ぎている感は否めませんが、
多くの可能性を切り開き、その恩恵を受けているのも
また確かなことなのです。

ですので、10年20年先に資本主義が無くなるのかというと
その可能性はとても低いと考えています。

資本主義VS国家という構図 今、私たちは新たな帰路に立っている

21世紀に入ってからは資本主義VS国家という
構図になっていくようにも思えます。

今やグローバル企業が国を訴えることが
100カ国以上で700件にも上っているそうです。

もはや小さな国家よりもアップルや
エクソンモービル、フォルクスワーゲン、TOYOTAなどの
グローバル巨大企業の資本の方が大きくなっているのです。

ですので、国家同士が手を結んで資本主義の大波を
防波する必要が出てくるのではないでしょうか。

そうしないと国民の生命や財産を守るという
政府の役割が果たせなくなってしまう可能性もあるようです。

以前にこのような記事を書きましたが、
その1つの試みとしてベーシックインカム制度が
挙げられるとぼくは考えています。

もう1つはUBER(ウーバー)やAirbnb(エアビアンドビー)などの
シェアリング・エコノミーです。

つまり政府による最低限の衣食住の確保と
民間によって車や宿泊施設、或いは生活用品などをシェアするシステム。

番組内では、ヨーロッパ最高の知性と言われる
経済学者のジャック・アタリ氏は
世界中の国家をまとめる世界政府のようなものが
必要なのではないかという提言がありました。

おそらくこの概念の試みが今のEUのなのだと思います。

しかし、イギリスのEU離脱はそれに大きな波紋を投げかけました。

「えっ、でも俺たちEU中央政府のいいなりじゃん!」
とプライド高いイギリスの人たちが考えた結果でした。

ここまでの内容をまとめると

1.資本主義は人間の欲求がある以上止まらないが、
人類の生活を便利にし、さまざまな可能性を拡張してきた。

2.「もっともっと」を求めず、
大量のお金よりも自分の時間の大切にしたい人たちもたくさんいる。

そう考えるとやはり以前に書いたこの記事にもつながっていくわけです。

20世紀型の資本主義は今後、
新しい資本主義へと変貌していくと推測しています。

1人1人の人生はとても崇高なものですし、
一方で資本主義を完全否定することもできません。

そうなると
「ジャイアン的グループ」である資本主義と
「ドラえもん的グループ」である国家という
大きなグループが共存していく可能性が出てきます。

でも、どちらも必要な存在なんですけどね。

要はどちらのグループにも入っていけるような
システムを整備していく必要があるんですよ。

要するにバランスなんですよね。

バランス。

しかしこのバランスが難しい。

そういえば、
「あんたは1回頭をぶつけて痛い目せえへんとわからんのや!」
子どもの頃、母に叱られた記憶があります。

行きつくところまで行って
頭をガツーンにぶつけないとわからないのもまた人間の性なのでしょう。

イギリスの哲学者アダム・スミスは
「経済は市場に完全に委ねていれば、

見えざる手が社会全体の利益になるよう
うまいことバランスを保ってくれるんだよ」

と言いました。

これを読み替えると
「行き過ぎた人間の頭をゴツーンとするのが見えざる手なんじゃないか」
ともいえるんじゃないかと。

周囲を見渡すと人を便利するにたくさんの物質やサービスがあります。
そしてそれらは時代によって変化してきました。

しかし人間社会を形成しているのは「物質ではなく人間の心」なんですね。

お金の本質も見えない人の心なのだと思います。

そう考えると、人の心というのは、
プラトンやアリストテレスの時代
お釈迦さんや孔子が生きた時代から
ほとんど変わっていないのかもしれません。

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

参考記事:ベーシックインカム導入は24世紀スタートレックの世界とリンクする?
参考記事:やっぱり歴史は繰り返す?まだアリストテレスの手の平で踊ってるの

参考映像:NHKスペシャル「資本主義の未来」
参考文献:

Author by gross-schwarz

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