Takayuki DAIKOKU 彫刻のない美術館

「圧倒的な異質性」が現代アートの一つのキーポイントになる

作品ショートムービー

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現代アートの世界ではどうなったらプロなのか

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

「何の仕事ですか」と聞かれて「彫刻家です」と答えると
たいていその質問者の頭に ?マークがたくさん浮かぶのが見えます。

その次の質問はおおよそ 「プロなんですか」 という主旨の類です。

つまり「どうやって食べているのですか」という質問です。

この質問は、ぼくのような現代アートの作家や
芸術関係の仕事をしていると99%の人たちが
受ける質問だろうと思います。

現代アートの世界で一般的にプロデビューというのは
「コマーシャルギャラリーで個展を開催すること」だと言われています。
貸し画廊がほとんどを占める日本においては企画展で
個展が開催されるのもその一つだと思います。

要するに、自分でお金を払って場所を借りて、
作品を展示するのではなく ギャラリストやキュレーターなどの
第三者の労力、時間、資金などの後押しによって、
展覧会が開催できるかどうかが基準になるのだと
ぼくは解釈しています。

renmen Ensemble (outdoor), 2015, Variable ,Mixed Media  (Land Art Schlosspark Wagenitz) Photo : Takayuki Daikoku

renmen Ensemble (outdoor), 2015, Variable ,Mixed Media  (Land Art Schlosspark Wagenitz) Photo : Takayuki Daikoku

プロボクサーの世界はどうなのか

かといって、それですぐに飯が食えるほどこの業界は甘くありません。

例えば、ボクサーでもプロデビューしてもすぐには生活はできません。

4回戦から始まり、日本戦、世界戦、チャンピオン戦となり、
少しずつボクシングだけの所得が増えて
生活することにも反映されていくと同じようなものだと思います。

作家も展覧会の積み重ねによって、少しずつ作品の発表機会が増え、
認知度が増し、そして作品が売れていくのです。

ぼくもまだまだ若手の部類に入りますが、
少しずつプロとしての 作品発表機会が増えてきて、
また購入してくださる方も出てきました。

小さな作品から、一点ずつの作品、展覧会を大切にし、
今後も現代アートの作家として前進していく次第であります。

よって、 「プロなんですか」という質問に対しては
「プロですが、ただ今”プロ中のプロ”を目指しています」
というが一つの答えになります。

ぼくがイメージするプロ中のプロの作家たち

どのジャンルにも、天才とよばれる人たちは存在するもので、 

現代アートの世界もしかり、
そのような人たちが一定の割合で存在します。

ぼくが「いや~、ホント凄いね」って思う
世界の現代アートの彫刻家には
アニッシュ・カプーア、ヴォルフガング・ライブ、
エヴァ・ヘス、 ルイーズ・ブルジョア、
ジョセッペ・ペノーネなどがいますが、
プロとプロ中のプロのとの違いの一つに
「圧倒性」 があるかどうかだとぼくは考えています。

例えば、 圧倒的な構成力、圧倒的なコンセプト、
圧倒的な色彩力 圧倒的な意外性、圧倒的な物語性(文脈)など、
圧倒的な技術力 など・・・

その圧倒性が作品に反映されているのか。

それがプロ中のプロへのボーダーなのだと思います。

現代アートは圧倒的な異質性という新しい概念を生み出すもの

現代アートは、対象物をうまく描けるとか具現化できるか
というところで勝負をしているのではなく、

この「圧倒的な異質性」を押し出すことができるかどうかが
一つの勝負所なのだと考えています。

アメリカではその「圧倒的な異質性」を反映させることができる作家は
新しい観念を生み出した人として、
例えば、トップアスリートや宇宙飛行士、科学者たち
と同じようにとても高く評価されるそうです。

「異質性」を受け入れて評価できるか。

特に、これからの日本において
とても重要なキーワードになってくるでしょう。

ドローイング:Inverted drawing