彫刻家の大黒貴之です。
1つの物事を長い時間をかけて続ていくことは本当に難しいことだと思います。
ぼくも今までにたくさんのことをやってみましたが
今なお続けることができているのは彫刻くらいのものです。
環境の変化や身体的なこと、また経済的なことで
どうしても辞めざる得ないこともあるでしょうし、
「あ~、自分にはこのセンスは無いから、もうや~めた!」と
サジを投げることもあるでしょう。
しかし、あなたもわたしも承知の通り、
1つのことを少しずつでも続けていくことが何よりの才能なのです。
継続力が物事を成すうえで、
何よりも大切なことだと教えてくれたのは
ぼくの親父だったのかもしれません。
「継続は力」を教えてくれたのは父の背中だった
Photo via VisualHunt.com
彼は何事も綿密に計算をしコツコツと物事を実行していくタイプでした。
もともと職人肌で几帳面だったこともあるのでしょう、
本業である電気工事士の他、田んぼや畑の世話、自宅横に小屋をつくったり・・・
基本的になんでも自分でやっていく気質の人でした。
長い時間をかけて毎日少しずつ少しずつ
コツコツと時間をかけて完成に近づけていました。
学生時代に帰郷したある日、
家の玄関周辺でなにやら角材にノミでホゾを彫っている姿がありました。
それも何十本も。
そして時間の合間を見てすでに数週間も作っているようです。
「何やってんの?」と声をかけても、
「いや~、ちょっとな」とボソボソとした返答ばかり。
その後、気がつくと母屋の横に小屋が増築されているのを見ました。
父が他界していから彼の足跡をたどると
「少しずつ少しずつの延長、つまり継続力が物事を成し遂げる」
のだとぼくに伝えているようでした。
当たり前といえば当たり前ですが、これがなかなかできません。
1という単位は小さいものです。
しかし、日ごろから誰も見ていないところでも
1つことを地道に継続していくと
やがて1+1=2でなく、それは突然、5にも10にも増幅していくように思います。
そのようなことを彼の背中から学んだように感じています。
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