彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。
2012年の夏からフリーザックの仕事場で
制作を始めました。
車で片道25分、約30Kmの道のりを
夏の気持ち良い日もマイナス10度で
1日中霧がかかっている真冬の日も
仕事場に向かい1人制作をしていました。
自分の確固たるスタイルを
どのようにして発見するのかが
当時のぼくの課題でした。
ドローイングや彫刻作品をつくる
一方でタブロー(絵画)の新作を
模索し始めたのは第二次渡独からでした。
2011年に渡独した当初は
自宅の片隅で制作していました。
その時もタブローをつくっていたのですが、
描いては壊し、描いては壊しの実験を
繰り返していました。
その時に「絵画を彫ってみよう」と考えました。
さて、どのような作品にしようかと思案して
つくった1つの作品がこちらの自画像です。
自画像
2011
キャンパスにアクリル絵具
Photo: Takayuki Daikoku
当時の自分の記録としても、つくっておきたかった作品です。
このような具象作品もいくつかつくりましたし
抽象的な作品もつくりました。
Carve-painting
2011
アクリル絵具
Photo: Takayuki Daikoku
その後、この作品シリーズは
ドローイングと融合し、やがて2013年には
ドローイングと彫刻の間の作品が発展します。
この頃から、和紙と柿渋を素材として導入しています。
Carve-painting-03
2013
アクリル絵具・和紙・柿渋
Photo: Takayuki Daikoku
Carve-painting-02
2013
アクリル絵具・和紙・柿渋
Photo: Takayuki Daikoku
courtesy of the artist and Semjon Contemporary
かつてベルリンにあったグッゲンハイム美術館があったのですが、
閉鎖に伴って、2013年の4月にドイツ銀行の美術館としてオープンしました。
下の「Carve-painting-02」はその美術館のオープンの公募展で展示されました。
そして、2016年6月から7月にかけて
ベルリンのセミヨン・コンテンポラリーで開催された個展
「3SOLO 彫刻とカーブペインティング」展で
150×105cmのタブローとして展示されることになります。
Carve Painting No.01
150×105.5 cm
アクリル絵具・和紙・柿渋・木
個人蔵
Photo: Takayuki Daikoku
courtesy of the artist and Semjon Contemporary
これらの作品に共通しているのは
「絵画を彫っている」という点です。
ドローイングでもなく、彫刻でもない絵画。
この作品をぼくは
「Carve Painting (カーヴ・ペインティング)」と名付けました。
そして、このシリーズはさらに発展していく余地が
大いに孕んでいるとぼくは感じています。
Alles Gute! (アレス・グーテ!)
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