TAKAYUKI DAIKOKU 人生はアートという名の想像力

ドイツ・ラーテノウの冬。新春、ある一日の記録

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

2011年4月に再びドイツに渡り、約5年半の滞在をしました。

2012年の夏にフリーザックという
人口2500人ほどの小さな田舎町の仕事場を
紹介してもらってから、ラーテノウとフリーザックを
往来する毎日が続いていました。

ドイツの冬は大変寒く、一日中氷点下の気温で
日照時間は30分とか1時間という日は
それほど珍しくはありませんでした。

ラーテノウ滞在中に書き留めていた手記の中の1ページです。

フリーザックの仕事場。フリーザック市の環境課が
管理している事務所の一角の納屋が僕のアトリエだった。
背景に見える壁が茶色いのは塗装が剥がれて
むき出しになっている土壁。

フリーザックの仕事場から見える風景・冬。

昨年は、ドイツ語試験や仕事場の確保、
Semjon Contemporaryの所属作家、
ビザの更新、そして子供の誕生と続いた。
周囲の頼もしい協力もあって、
実に充実した一年を過ごすことができた。

年末年始は、家事を手伝いながら、
ホームページの改装に力を入れていた。
そうこうしているうちに、
子供の誕生から、1か月が過ぎた。
生まれたての命がやってきて、
ラーテノウの自宅はテンヤワンヤだが、
少しずつリズムを掴むことができつつある。
子どもの存在を感じ始めてから、
何かと笑うことが増えたようにも思える。

年明けから、再び仕事場に向かうことができて、
また制作の日々を送っている。
外はマイナス気温が続く中、
ドローイングや彫刻をコツコツとつくる時間。
仕事場に行くと、同僚のドイツ人のおじさんたちが
「どうしてたんだ。元気だったか?」と出迎えてくれた。

やはり、仕事場で制作をできることは作家にとって
とても大切な時間であるとつくづく感じている。
向かいに見える木々は曇天を背にして、
葉の無い枝や幹がまるで影絵のように映っている。
木の枝に小さな鳥がとまっているのを見ると、つい口元が緩む。
たまに差し込んでくる弱い太陽の光がとても有難い。

昨年の1年で、ドイツで滞在する基盤は
ほぼ完成したように感じている。
2013年は、それらを基に作品を充実させ、
多くの人に見てもらるよう発表の機会をつくっていきたい。
この1年もきっとあっという間に
時間が過ぎ去るのだろう。

ドイツに渡って、2回目の新年を迎えた。
1日、1日が、僕にとって、大切な時間である。

ラーテノウは、今週末から一層寒くなり始めた。
明日は-9度~-6度になるという。
外は曇天の毎日で、太陽がとても恋しくなるが、
日没時間は1時間ほど長くなってきている。

そういうことが、なんだか嬉しく感じている。

2013年1月19日

Alles Gute! (アレス・グーテ!)

彫刻の一覧ページへ
TAG index
ドローイングの一覧ページへ
TAG index
MOVIE
Instagram
- Instagramもやっています -