彫刻家の大黒貴之です。
最近、テレビに登場する人たちの
経歴詐称問題が取り上げられています。
多くの人は、その人の背後にあるデータを重要視します。
その経歴を見るとどのようなプロセスを辿って、
今に至るのかが一目瞭然だからです。
日本では、高学歴だとこの先もきっとよい仕事をするだろう
いう予測を立てる傾向にあるようです。
いわば、それが出世のパスポートのようになっている訳です。
しかし、高卒でめちゃくちゃ仕事のできる人が
仕事のできない高学歴の人を抜いて出世していくことは滅多にないという
現実があることに、とても違和感を感じますが。
おっ、またボソッと独り言が。
とどのつまりは、心のコミュニケーションができるかどうか
知らない人に自分自身を紹介するときに
略歴や経歴、実績などを説明するのはとても大切なことです。
なぜかというと、人は自分の知らないことに対して不安になりますし
警戒する本能があるからです。
特にフリーランサーなどが仕事をするうえでは、大切な要素になってきます。
だから、それらを話すことによって、安心してもらい、自分に興味を持ってもらう。
しかし、それもあくまで最初の窓口にしか過ぎません。
人を動かす心理学とかマニュアルみたいなことが
よく言われますが、大事なことは、
日本人同士に限らず、どこの国の人たちと接するにも
とどのつまりは「心のコミュニケーション」ができるかどうかです。
孔子の言葉「道を同じくしない人を友としないように」
「道を同じくしない人を友としないように」
という孔子の言葉があります。
それぞれ、歩いていく目標が違ってくると
おのずと話も合わなくなり、付き合いも無くなっていくようです。
しかし、何かのタイミングで再会し
また、以前のようにお付き合いが復活することもあります。
その人たちとは、きっと同じように「道」を歩いている人なのだと僕は思っています。
自分はどう生きるべきか、何をするべきなのか、何を残せるのか。
それに、お互いに無いものを持っているのでしょう。
自分に無いものを持っている人に魅力を感じる
職業が違ったり、年齢が離れてるとか関係なく
魅力を感じれば、ドンドンその人たちから学び、
自分にないものを吸収していきたいと僕は考えています。
それに、そのような人たちの存在があるから、
「僕も負けてられないな!」
と、激を自分に飛ばせるのです。
現代アートを通じて「道」を歩んでいく中で、この先もたくさんの人たちと出会って
お互いに感化されることを、僕は楽しみにしています。
美術をやってきたからこそ、出会えた人たち。
大切にお付き合いをさせていただきたいです。
幼少、思春期からの友人は少し違う
少し違うのは、子どものころや中学、高校のころから
今まで付き合いをしている友人たちです。
この人たちは、目標とか、歩む道とかは、関係ないように思えます。
特に黙っていても何も思わないし、
ダラッとすることもあれば
しょーもないバカ話をして
呼吸困難になるくらいバカ笑いすることもあります。
きっと根底にある波長が合うってやつなんでしょうね。
やっぱり、根底にあるものは、人の心
その人が平素からコツコツと積み上げてきた経験値やその言動から感じる魅力。
結局は、その魅力を感じ、心と心の振動があるかどうかが大切になってくるのです。
言葉という非常に曖昧な抽象概念を元に僕たちの社会は成り立っています。
しかし、その言葉の根底にあるものは、「人の心」
その人を魅力的だと感じ、つながりたいと思うのは「心の振動」があるからです。
そのためには、自分がまず人の心を振動できる人にならないといけないし
そのような作品をつくっていきたいと思う昨今です。