【組木のおもちゃ】KUMINOを使ったワークショップ

   

彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。

滋賀県発生の組木のおもちゃ
「KUMINO」をご存知でしょうか?

先日、20人以上の参加者が滋賀県奥永源寺に集い、
KUMINOで大型オブジェを一緒につくりました。

2018年3月31日-4月1日かけて開催された
ワークショップの記録です。


第2回KUMINO合宿は、
やさしい春の陽気に包まれる中、終了しました。

イベントが終わり、1日が経ちましたが、
僕の中ではその余韻が残っています。

メインイベントのワークショップでは
「KUMINO×大自然×DAIKOKU×偶発的創造」をテーマに
「クミノ・カーテン」と「クミノ・サークル」の
2点をつくりました。

自身の仕事場で行った井上さんとのKUMINO研究や
事前に足を運んで見た、川の現場からも
当日に向けてイメージを起こしてきました。

今回は、子どもが多く参加されるということだったので、
彼女/彼らにも是非この制作に加わって
一緒に遊んでほしいなと考えていました。

「クミノ・カーテン」では、
先ず最初の取っ掛かりを大黒が中心となって付けていきました。

「一体何ができるのだろう」と各々の方が思っておられたことでしょう。

しかし、少しずつ形が現れ始めると、
参加者の方々がパーツをつくりだし、
また各々がイメージしたフォルムを「カーテン」に
組み込んでいく様子を見ることができました。

その中で、子どもたちが「はい、これできたよ!」と
自分がつくったパーツを持って来てくれたことが
とても嬉しかったです。

参加者の方々がつくった「フォルム」を活かしながらも、
構図的にもう少しこうすればよいのではないかと思うところは、
大黒がほんの少し手を加えながら構築していきました。

このカーテンでは、僕が全ての指示を与えてつくるより、
このようにしたほうが、きっと自分が想像した意外の
「ナニモノか」が出現するだろう思っていました。

このカーテン制作で、もう一つ考えていたこと。

ある画家の方にかつてこのように教えてもらったことがあります。
「大作を制作した経験があると、小さな作品の質も良くなる」と。

僕はこれまでに4mを超える彫刻や2mほどの絵画なども制作してきましたが、
一方でハガキサイズの小さなドローイングも描いたりします。

大きな作品をつくった経験の後のほうが、
小さな作品の質も上がったように感じています。

1000パーツほどのKUMINOを用いた
大型の造形物をつくるのは
全員が初めての経験だったと思います。

ですので、きっと、今回のワークショップでも、
大きなオブジェ制作に臨むことによって、
得ることができる感覚や記憶があるではないかと想像していました。

2日目の朝から行われた2作品目「クミノ・サークル」。

主に女性と子どもたちが率先して
サークルをつくってくださっていました。
それも、物凄いスピードと正確さで。
少し時間が経って、振り返るたびに、
みるみるそのサークルは姿を現し始めています。

展示候補であった大きな樹の下に
出来ている洞穴の中に男性陣がサークルを運び入れ、
箕川集落の自然とクミノ・サークルは融合しました。

おそらくカーテンを先につくった経験があったからこそ、
このサークルの制作展示も上手くいったのだと思っています。

カーテンは約20時間、サークルは2時間ほどだけ姿を現し、
そしてまた元の1つのピースに還っていきました。

また、ワークショップの時だけでなく、
同じ釜の飯を食べ、酒を飲みながら交わした会話や
同じ焚火を眺めながら想いに耽った時間もまた、
今回のワークショップの一部だったように思います。

当初、掲げていた4つのテーマがリンクしたオブジェが
具現化したと僕は感じております。

そして、今回のワークショップを通じて、
KUMINOの新しい展開や発想につながり、
ジワリジワリとその世界観が世に広がっていけばと思います。

この時間と光景が、どうぞ素敵な記憶となって残っていきますように。

何より、一緒に遊んだ子どもたちの脳裏に、
五感で体験した今回の思い出が刻まれますことを。

イベントを共に進めてくださった
運営のお三方に心より感謝申し上げます。

そして、遠方からお越しくださった多くの参加者の皆さん、
KUMINOオブジェを一緒に具現化してくださり、
本当にありがとうございました。

お陰様で、僕も素晴らしい時間を過ごすことができ、
新しい光景を観ることができました。

今日から新年度が始まりました。
皆さんもKUMINOも、新しい門出と出会いがありそうです。

またお会いできますことを心より楽しみにしております。

春のやわらかな風を感じる近江の仕事場より。

2018年4月2日

KUMINOに関しての詳細、お問い合わせは
↓こちらの公式サイトからご覧になれます。

クミノ工房
https://www.kumino.jp/

関連記事:彫刻家の日常-2月のある週、北海道からの来客、KUMINO、ドイツでの展覧会、東京

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