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展覧会

自然と芸術の融合:「GARDEN」展に見る生命の循環と日本の美学

個展「GARDEN」序文 イギリスのメン・アン・トール遺跡は「穴の開いた石」という意味で知られ、花崗岩で形成された柱と穴がコーンウォール州の草原の中に佇んでいます。彫刻家、アントニー・ゴームリー⽒は、彼の著書「彫刻の歴史 先史時代から現代まで」で、この遺跡の柱を男性の象徴、穴を女性の象徴として捉え、潜在的な...

思考する

部分から全体へ:「Coil/巻1999」の制作から見る彫刻家の表現言語の形成

1999年3月頃。大学卒業展で制作した作品「Coil/巻1999」という作品です。5月に京都五条のKYOTOWANDで開催された個展の付随イベントのアーティストトークでこれまでの彫刻家としての軌跡を対談しました。私の作品には、全体を通して共通項のようなものがあって、それは「部分の集合によって、全体が成り立っ...

人生論

自己表現と批判的思考: 日独比較から学ぶ価値観の形成と芸術鑑賞の力

彫刻家の大黒貴之(@takayuki_daikoku)です。 日本人は、自分を世間体に合わせる傾向があると多くの人がすでに以前から指摘しています。私が6年以上生活をしていたドイツでも社会の雰囲気やメディア、家庭環境によって価値観が形成されています。 しかし、ドイツ人は一人ひとり意見を持って主張しているように...

おすすめ書籍

生物はなぜ死ぬのか:生物の死や多様性の重要性を生物学的に解き明かす名著

彫刻家の大黒貴之(@takayuki_daikoku)です。 小林武彦氏著書の「生物はなぜ死ぬのか」(講談社現代新書)を読み、大変感銘を受けました。死は全ての生物が直面する現象です。特に人間は古今東西、死について恐怖や不安を抱き続けて現在に至っています。「死んだらどうなるのだろう?」「死ぬ直前はどうなるのだ...

アートのお話

なぜドローイングを描くのか。ドローイングはシンプルがゆえにアーティストの実力が現れる

「スランプに陥ったときには特にドローイングをするのが良い。自分がまだ発見できていない新しい領域を見つける手がかりになるんだよ」と。ぼくのギャラリストでもセミヨンさんは教えてくれました。また彼は「それは作品の本質的特徴を表わしている」とも言いました。