彫刻家の大黒貴之(@Gross_Schwarz)です。
彫刻をつくる際に
どのような形にして、大きさはどれくらいで、
どんな素材にしようかなぁ。
というのは、作品のイメージスケッチです。
僕が言うドローイングとは、
作品ができるもっと以前にある何かモヤモヤっとしたイメージで
それがニュルッと出てくる感じの生き物のような存在です。
つまり、彫刻などの最終形の作品が生み出される
もっと根源的で原始的なものです。
そのドローイングは、何日、何か月、何年後の
作品にどのようにつながるのかわかりません。
しかし、それらは将来つくる作品の伏線になります。
あの時のドローイングが、この作品につながったのか。
なんて、数年後のある日に、
そのときつくった彫刻と最近ドイツで描いたドローイングが
同じ場所で展示されていたら、とてもカッコいいです。
僕のドローイングは一点だけを見るより、
いくつかの連続体もしくは集合体にして見ると何かしらの意味が現れ始めます。
それらは、暗喩されたものの集合体である諷喩(ふうゆ・アレゴリー)と言われるものです。
もう一つの大事なポイントとして
ドローイングは、制作において新しい領域を発見できる手がかりになります。
僕のギャラリストであるセミヨンさんは、何度もこう説明してくれました。
「ドローイングを描きなさい。
特にスランプに陥ったとき、ドローイングを描くことはとても大事だよ」
「ドローイング、ドローイング、ドローイング!」