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彫刻家の大黒貴之(@takayuki_daikoku)です

展覧会の開催に当たって、ほとんどの場合、案内状、いわゆるDMを作ります。まだ学生だった2000年、大阪天満橋にある貸画廊で3万円ほどの賃料を払って半企画的な個展を開催しました。今日では自分でデータを作成して、デジタルデータのままメールなどで案内状を送ることは日常的な事となっていますが、当時はPCというものはまだ私の手元になく、印刷会社が指定するサイズの用紙に、作品の写真や文字を適度に切って糊で貼り付けて印刷に出すというアナログ手法そのものでした。

コマーシャルギャラリーの展覧会などに声をかけていただくようになってからは、めっきり自分で案内状を作ることはなくなりました。案内状を眺めているとギャラリーやデザイナーのセンスが見えて面白いですし、気になった案内状は手元に残しておきたくなるものです。展覧会に来て、作品を見てほしい、そして作品を購入してほしいという意気込みは案内状にも現れるものだと思います。

2023年5月に清水五条にあるKYOTOWANDで開催させていただいた個展の案内状は自分で制作しました。10数年振りになるでしょうか。23年前、下宿していた7畳半のワンルームで案内状を作成していた記憶が蘇ってきました。多くの方に作品を観てほしいという情熱は相変わらずあるものだなと感じながら作成をしていました。自身の案内状を振り返るとその時々の記憶が脳裏に浮かび、当時の心理状態、一緒に仕事をした方、来場くださった方、また作品を買ってくださった方のことを思い出します。

彫刻家としての人生はまだ道半ばです。これからも多くの案内状に自分の名前が記載されるよう、作家としての歩みを進めていきます。

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