ドイツ日刊紙、ターゲスシュピーゲル新聞にベルリンでの個展記事が掲載
彫刻家の大黒貴之(@takayuki_daikoku)です。
2013年のSemjon Contemporaryで開催した個展「renmen -ununterbrochen / 連綿 途切れることなく」について、ドイツ日刊紙ターゲスシュピーゲルに掲載されました。そちらの日本語テキストを個展風景の写真と合わせてご一読いただければ嬉しく思います。
記事 日本語訳 「 室 内 園 」
ターゲスシュピーゲル
室 内 園
2013年8月10日
ギャラリー “セミヨン コンテンポラリー” の大黒貴之展
オープニングに花を!
大黒貴之は自作の彫刻の横に華奢な挿花を置いている。
この日本人作家にとって、ギャラリー セミヨンコンテンポラリーでの個展は初めてのものであり、あたかもそれに感謝の意を示すかのように、彼は、オブジェ、枠、花、海藻のような植物、果実、など、独特で包括的な作品の構成をしている。ただし、これらは総て自然の素材である木で作られているのである。
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1975年(原文のまま)生まれのこの作家は、幹や太い枝をシュールレアリズムのオブジェを思わせるような、個性的で繰り返し現れる原型に切り分けている。和紙と茶色味を帯びた着色液で簡単な素材を作品に仕上げるのだが、これによって大黒は、奇妙な、そして同時に人を惹き付ける室内空間をつくり上げている。
部屋と庭と若木箱と抽象的彫刻の混合とでも云おうか。選ばれたドローイングがインスタレーションと共に展示されていて、ここでは決して偶然に任せるようなことはしていないことが分かる。それとは反対に、作品の与える脆く仮初めだという印象は、綿密な準備によって作られたのである。
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この作家には、彫刻のアンビバレントな性質についての熟考がどうしても避けられないのだ。彫刻が倒れることなく、どのように空間を占めるか、どれくらいの量感になるのか、理論的にはどこまで広げられるか、等々。ここで大黒は、ブランクーシの作品「無限柱」への高い評価を示している。展覧会のタイトル “連綿 – 途切れることなく” は同じ方向を示しており、生成と消滅をテーマとしているのである。
cmx(著者Christiane Meixnerのイニシアル)
翻訳 藤江ヴィンター公子
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