機が熟すとは?何かを行ったことの結果が出るまでには時間のタイムラグがある
彫刻家の大黒貴之(@takayuki_daikoku)です。
物事が動き出す時に私たちはよく「機が熟した」という言葉を使います。
一念発起して何かを始めるときにはなかなかすぐに物事は動かないことが往々にあります。物事が動き始めるとき、そしてそれを実行した原因に対する結果はいつ表れ始めるのでしょうか。
そのようなことを少し考えてみたいと思います。
最初の一歩は周囲に伝えること
例えば、私が最初にドイツに行くまでのプロセスです。
学生の頃「あ~、海外に行きたいなぁ」と漠然と思う
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具体的に「ドイツにいって個展をするぞ!」という決心に変わる
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家族や周囲にもそのことを伝え始める
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それに至る準備(情報収集、各手続き、引っ越し)
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日本を離れる
という流れで、実際に日本を発つまでには2年くらいの歳月が流れています。今日思い立って明日というわけにもいきませんし、それよりも、それに対する心の準備や決心が必要になってきます。しかし、それを始めよう、行おうというのであればなるべく早く最初の一歩を踏み出すことが大切なのも確かです。
最初の一歩とは、例えば、自身が具体的なイメージを持ってそれに向けて情報収集をしたり、勉強をしたり、必要な道具をそろえたり、何よりも周囲に言いふらして、自分の動きをそのような環境にもっていき始めることだと考えています。
周囲に伝え始めると自分でもその責任が出てきますしそれができないと「あ~、あいつ口ばっかりだなぁ」と思われることへの恐れから、やらなきゃ!と自身を律することにもなります。それにそのことへの協力者も出てきます。
私も含めて多くの人はこの最初の一歩がなかなか出にくいようです。ですから、その最初の一歩を前進すれば、目標の半分は達成したようなものだと言っても過言ではないと思います。
結婚をする。引っ越しをする。進学をする。就職をする。会社を辞める。事業を始めるなど・・・人生の大きな節目節目でも、最初の一歩を踏み出すことができれば後は波に乗るように、ダダダーっと事は進んでいくように感じます。
一方で最初の一歩の踏み出しと物事が実際に動き出すタイミングにはタイムラグがあるようです。
原因の結果が表れ始めるのもタイムラグがある
異熟(いじく)という仏教の言葉を知る機会がありました。
世の中のあらゆる出来事には、結果が出るまでの時間が異なるという意味です。
すぐに出る結果。
何年も後になって出る結果。
何十年も後になって出る結果。
最初の一歩から実際に事が起こるまでにもタイムラグがありますが、行動を起こして、その結果が出るまでにもタイムラグがあるのです。
下は最初に実行したドイツ滞在の結果、2011年に再びドイツに渡りどのようにつながっていったのか?そのプロセスを箇条書きしてみます。
奮闘してなんとかベルリンでグループ展に参加できるようになる
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作品制作中に、ドイツ人アーティストのH.N.セミヨンに出会う
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彼の企画による個展をベルリンで開催
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帰国
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再び、渡独を漠然とイメージ、そして決心
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7年後に再び渡独を断行
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2002年にベルリンで出会ったセミヨン氏がギャラリストとしてギャラリーを立ち上げる
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自身の作品スタイルを再構築する
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ギャラリーアーティストになる
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個展やグループ展、野外彫刻展などを協働して実施
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帰国
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この原因は、次の結果へつながっていく・・・
即戦力!という言葉あるように特に仕事上ではすぐに結果を求められることが多いのですが、世の中の動きや経験則に照らし合わせてみると原因の結果が出るまでには時間差があるようです。
特に人や自然を育てることやその人が信念を持って実行してきた結果が出るには、多くの時間がかかるものです。
その結果は、ひょっとしたらその人がこの世からいなくなり世代を超えて表れ始めることもあるのでしょう。
人が行った行動に対して遅かれ早かれ必ず出る結果。そして、その結果が熟すタイミングにはタイムラグがあるということ。
どうせ出るなら、素晴らしい結果が出るにこしたことはありません。
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